苦しい今こそラインナップに欲しい!! 記録より記憶に残る日産車

チェリークーペ

販売期間:1971~1974年

高いウェストライン、重いと感じるリアのデザインが特徴的だったチェリークーペは、チェリーデビュー後約1年で追加された
高いウェストライン、重いと感じるリアのデザインが特徴的だったチェリークーペは、チェリーデビュー後約1年で追加された

 サニーベースのクーペに続いては、超個性派を紹介。

 日産のクーペ史上最も個性的な1台と言っていいのが、コンパクトクーペのチェリークーペにとどめを刺すだろう。

 日産初のFFとしてデビューしたチェリーは1970年にデビューし、1年後の1971年にチェリークーペを追加。リアが重い感じの独特のデザインはブレーンバックを呼ばれた。

 個性的と不格好は紙一重ながら、世界的に見てもこれほどインパクトのあるクーペも珍しい。

 ちなみにオーバーフェンダーを装着したモデルがX-1・Rで、1973年に追加された。モータースポーツにも参戦するなど、若者を魅了。

 現在の日産のラインナップでは、GT-R、フェアレディZこそ残っているが、コンパクトクーペはぜひとも欲しい。

大型の丸1灯リアコンビもチェリークーペのデザインのポイント。写真はX-1・Lで、オーバーフェンダーを装着したのがトップグレードのX-1・R
大型の丸1灯リアコンビもチェリークーペのデザインのポイント。写真はX-1・Lで、オーバーフェンダーを装着したのがトップグレードのX-1・R

パルサーGTI-R

販売期間:1990~1995年

コンパクトなパルサーの3ドアハッチバックを4WDターボで武装したのが、日産のWRCウェポンとして開発されたGTI-R。パワーバルジが大迫力
コンパクトなパルサーの3ドアハッチバックを4WDターボで武装したのが、日産のWRCウェポンとして開発されたGTI-R。パワーバルジが大迫力

 日産がグループA時代のWRC参戦を前提に開発されたラリーウェポン。ボンネット上のパワーバルジが精悍な5ドアハッチバックだ。

 日産はパルサーGTI-RでWRCに参戦。しかし改造範囲の狭いグループAでは、エンジンルームが狭いことにより冷却系が厳しかったこと、タイヤサイズのアップができずに、パワーを持て余してしまったなどの要因で成功できず早々と撤退してしまった。

 しかし、小さいボディにハイパワーエンジンというコンセプトはかなり魅力的で、長きにわたりクルマ好きの心を熱くした。

 日産は2020年現在、モータースポーツではフォーミュラEに参戦中で、市販モデルをベースに参戦しているものには、GT-Rでのブランパンの耐久レースなどがあるが、トヨタに対抗してWRCも検討してはいかが?

大型のルーフスポイラーも当時は最高にカッコいいアイテムとして注目された。競技ベース車も販売され、競技者からも人気となった
大型のルーフスポイラーも当時は最高にカッコいいアイテムとして注目された。競技ベース車も販売され、競技者からも人気となった

初代レパード

販売期間:1980~1986年

レパードはスペシャルティカーながら、2ドアよりも4ドアのほうが人気が高かった。写真は角4灯ヘッドランプを搭載する兄弟車のTR-X(トライエックス)
レパードはスペシャルティカーながら、2ドアよりも4ドアのほうが人気が高かった。写真は角4灯ヘッドランプを搭載する兄弟車のTR-X(トライエックス)

 初代レパードは、スペシャルティカーとして1980年にデビュー。スペシャルティカーといえば2ドアのイメージが強いが、4ドアをラインナップしていて、実際に販売台数は4ドアのほうが多かったという。

 シャープにフランとしたフロントマスク、ガラスエリアの大きな6ライトのデザインはそれまでの日産車、いや日本車にないテイストに仕上げられていた。

 しかしソアラのデビューにより話題はすべて持ち去られ、販売台数も大差がつけられてしまい苦戦が続いた。

リアピラー後方のガラスエリアが広いのがレパードの2ドアクーペの特徴で、ツートーンカラーの人気も高かった。
リアピラー後方のガラスエリアが広いのがレパードの2ドアクーペの特徴で、ツートーンカラーの人気も高かった。

 その最大の要因は、エンジンラインナップにあり、先進的なデザイン、装備にもかかわらず1.8L、直4SOHC、2L、直6SOHC、2.8L、V6SOHCという設計の古いエンジンでは動力性能、走りの質感においてソアラと勝負にならなかった。

 後に3L、V6ターボのVG30ETが追加されたが、挽回することができず低空飛行が続いた。

 が、登場した時のインパクト、存在感はあったし、フェンダーミラーパイパーをはじめ、世界初、日本初技術が満載されていたのは日産らしさが前面に出ていたと言えるだろう。

 結局レパードは1986年に登場する2代目では4ドアと兄弟車だったTR-X(トライエックス)が廃止となり、2ドア一本となった。 

世界初採用となったフェンダーミラーワイパーをはじめ、当時の日産らしく、ユーザーが喜ぶ装備などを満載。今の日産にもこの時の気概が欲しい
世界初採用となったフェンダーミラーワイパーをはじめ、当時の日産らしく、ユーザーが喜ぶ装備などを満載。今の日産にもこの時の気概が欲しい

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 現在の日産のラインナップはかなり脆弱と言わざるを得ない。従って、復活してほしいクルマはたくさんある。

 紹介はしなかったが、出ると噂されながらまったく音沙汰のないシルビア後継FRスポーツは、86/BRZの盛り上がりを考えると日産には必須だろう。

 そして、日産のオリジナルモデルではないが、パジェロミニのOEとして販売していたキックスは、NMKVでぜひとも企画して後継モデルの登場に期待したい。

日産のオリジナルではないが、キックス後継をNMKVで作ってもらいたい。SUVブームがいつまでも続くわけではないので、開発は急務
日産のオリジナルではないが、キックス後継をNMKVで作ってもらいたい。SUVブームがいつまでも続くわけではないので、開発は急務

【画像ギャラリー】すべて知っていればクルマ通!! 秀作揃いの歴代サニーのクーペをオールチェック!!

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