苦しい今こそラインナップに欲しい!! 記録より記憶に残る日産車

苦しい今こそラインナップに欲しい!! 記録より記憶に残る日産車

 日産は今後のニューカー計画について明らかにしているが、特に日本マーケットはそれだけでは物足りない。

 日産はここ30年の間にラインナップが激減している。ブランニューモデル、新たなカテゴリーへ投入したモデル以上に、多くの既存モデル、ビッグネームが消滅したことになる。

 プロスポーツの名選手、伝説の選手と言われるものには2タイプあり、名実ともにナンバーワンとなった人と記録より記憶に残る選手というのがある。

 クルマも同じで、販売面では大きな成功は残せなかったものの、人々の記憶に鮮烈に残っているクルマもある。

 本企画では、苦境の日産に苦しい時こそ昔を思い出してほしい、という願望から、現在のラインナップにない、記録より記憶に残る日産の名車を見ていく。

文:ベストカー編集部/写真:NISSAN

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ラシーン

販売期間:1994~2000年

ラシーンのボディサイズは全長4210×全幅1695×全高1515mmという日本で使うにはジャストサイズ。価格は219万8000円(タイプIII)
ラシーンのボディサイズは全長4210×全幅1695×全高1515mmという日本で使うにはジャストサイズ。価格は219万8000円(タイプIII)

 7代目サニー(B13型)の4WD用プラットフォームを使ってクロスオーバーSUVテイストに仕上げたのがラシーンで、1994年にデビュー。

 当時は日産が誇るBe-1、S-CARGO、パオ、フィガロといったパイクカー4姉妹と同じ高田工業に委託生産されていたため、5番目のパイクカーという見方もされていた。

 全グレードとも4WDのみの設定だったが、本格的なオフロード走行は想定されていないいわゆるシティオフローダーというキャラクターだった。この緩さも魅力のひとつだ。

 全長はグレードによって違うが、3980~4210mmというショートボディで全幅1695mmゆえに、街中での取り回し性能にも優れていた。1998年に追加されたフォルザシリーズのみ全幅が1720mmの3ナンバーサイズとなる。

背面タイヤ仕様にするとSUVっぽさが強調された。フロントにはグリルガードも用意されてオフロード色をアピール
背面タイヤ仕様にするとSUVっぽさが強調された。フロントにはグリルガードも用意されてオフロード色をアピール

 ラシーンの最大の魅力は雰囲気のあるデザインで、カスタマイズのベースとしても人気が高く、いろいろなバリエーションのモデルが現在も販売されている。

 現役時代のラシーンの走りは、お世辞にも満足いくものではなかったが、これもいい意味でのラシーンの緩さで、カリカリ走らず、流す気持ちよさを持っていた。

 SUVブームということで日産もほかのメーカー同様にSUVのラインナップを増強しているが、どれも似たり寄ったりで、ジュークの日本での販売が終了していることもあり、ラシーンのような個性派も必要だ。

インテリアも快適性を重視したもので、ある種の緩さがまた魅力的だった。色遣いにもこだわりが感じられた
インテリアも快適性を重視したもので、ある種の緩さがまた魅力的だった。色遣いにもこだわりが感じられた

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