日産ジューク10周年! SUVのパイオニアが残した功績と複雑な事情


 日産 ジュークが今年で10周年! SUVのパイオニアは新型に移行も日本では販売終了の“複雑な事情”とは?

 日産の小型SUV「ジューク」は2010年に誕生し、2020年で10周年を迎えた。欧州日産は10月14日に「Nissan celebrates 10 years of JUKE success」というリリースを出した。

 ジュークといえば、SUVがブーム化する以前に世に送り出されたパイオニア。日本でも人気を誇りながら、今年モデルチェンジした新型は欧州を中心とした地域に導入され、日本では実質的な後継車の「キックス」にバトンを託し、生産終了となった。

 SUVのパイオニアが抱えた複雑な事情と功績、そして日産の戦略とは?

文/御堀直嗣、写真/日産

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SUVブーム“以前”に誕生! 初代ジュークの革新性と人気

欧州日産は、コンパクトSUV ジュークの販売台数が世界累計150万台を達成したと発表した

 日産自動車のコンパクトSUV(スポーツ多目的車)であるジュークが、世界累計150万台を達成したと、欧州日産が発表した。

 いま、世の中は世界的にSUV人気のなかにある。なおかつ、直近ではコンパクトSUVが販売を伸ばしている。コンパクトSUVへの注目が高まったのは、2013年にホンダ ヴェゼルが登場してからだが、ジュークはそれより前の2010年に初代が発売された。

 大胆な外観の造形とあわせて、街を壮快に駆けぬける新たな運転感覚により一躍人気を得た。同年6月に発売され、約半年で2万3千台弱、翌2011年から2012年は年間3万3000~4000台以上の売れ行きであった。それは月販で平均3000台前後という実績だ。

初代ジュークが発売され、大胆な外観の造形と新たな運転感覚により一躍人気を得た。車名は、アメリカンフットボールなどでディフェンスを軽快にかわしていく意味があるのだという

 初代ジュークの車体寸法は、全長が当時のノートほどだが、全幅はスカイラインに近く、1.7mを超え3ナンバー車になる。1.5mの全高とあわせて、外観だけでなく車体寸法的にも従来あまり見かけなかった体格で、これも存在感を強くしていた。

 ジュークという車名は、アメリカンフットボールなどでディフェンスを軽快にかわしていく意味があるとのことで、車名がそのまま走りの特徴を示していたともいえる。

 外観の造形の狙いは、下半身は未舗装路を駆け抜けるSUVの逞しさ、上半身はコンパクトスポーツカーのような俊敏な動きを印象付ける小さく見える客室を特徴とした。二つの異なる個性の融合が、独特の姿をもたらしていた。

斬新な内装と人気支えた手頃な価格

外観の造形もさることながら、車内の造形も個性的な魅力がある。2輪車の燃料タンクを思わせるセンターコンソール形状から、シフトレバーが突き出しているという斬新なデザイン

 乗り込むと、そこにも驚くべき造形が待っている。2輪車の燃料タンクを思わせるセンターコンソール形状から、変速のシフトレバーが突き出している。

 メーター回りも2輪車のように2眼が独立した形をしていた。4輪車より機敏に駆ける2輪車の走りを、室内の雰囲気にも与えている。

 ダッシュボード中央下側のインテリジェントコントロールディスプレイは、空調と走行モードの切り替えを兼ねた画面表示で、それぞれをスイッチで選ぶと画面が切り替わる。

ダッシュボード中央下側のインテリジェントコントロールディスプレイは、空調と走行モードの切り替えを兼ねた画面表示ができる

 ガソリンエンジンは直列4気筒の1.5Lで、これに副変速機付CVT(ベルト式無段変速機)が組み合わされた。

 副変速機を持つことにより、燃費主体のエコモードと、走り優先のスポーツモードの運転感覚をそれぞれに味わえる。瞬発力のある走行感覚は、いまも蘇るようだ。価格は169万~179万円と手ごろで、これも人気を支えた。

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