新型ダックス125が2021年夏に発売!? 続々登場するホンダの125ccモデルがヒットを重ねる理由

■エンジンはオールニューの新世代を採用!? しかも5速

タイで10月21日に発表された新型グロム(125cc)。フルモデルチェンジでスタイルやシャーシだけでなくエンジンも新作に。国内では2021年3月に発売の見込みだ
タイで10月21日に発表された新型グロム(125cc)。フルモデルチェンジでスタイルやシャーシだけでなくエンジンも新作に。国内では2021年3月に発売の見込みだ

 排気量を125ccにして次々と往年の名車を復活させているホンダ。新型ダックス125には、グロム(125cc)をベースにした空冷単気筒エンジンが搭載されると思われてきた。

 ところが、このグロムがタイで10月21日にフルモデルチェンジを発表。エンジンはオールニューとなり、変速機も4速から5速に変更されたのだ。最新の情報では、新型ダックスにはこの新しいエンジンが投入される模様。

 将来的には同系のエンジンを採用する他のモデルも、順次新型エンジンに切り替えられていくはずだ。

新型グロムの新世代エンジン。空冷4ストロークSOHC単気筒は踏襲しつつ従来のエンジンよりもロングストローク化されており、どのようなパワー特性になっているのか気になるところ
新型グロムの新世代エンジン。空冷4ストロークSOHC単気筒は踏襲しつつ従来のエンジンよりもロングストローク化されており、どのようなパワー特性になっているのか気になるところ

 この新世代125ccエンジンは、タイ版スーパーカブに新搭載された「ホンダスマートエンジン(110cc)」がベース。ストロークは共通だが、ボアを拡大することで125cc仕様としている。

 「ホンダスマートエンジン」の変速機は遠心クラッチ4速ミッションだが、新世代125ccエンジンはスポーティなマニュアル式5速。新型グロムを皮切りに、新型ダックスにも搭載される、という流れだ。

 従来型グロムやモンキー125が採用していた4速ミッションの加速フィーリングは、まったり系。これがマニュアル式5速ミッションによりどう変化するかも見所となる。

■なぜ次々に往年のホンダ4ミニ名車が125ccで復活するのか

2017年夏に50cc版モンキーの最後を飾ったモンキー・50周年スペシャル。メッキパーツを採用しなんと価格は43万2000円に。それでも500台限定を上回る予約が殺到し、公開抽選の上販売された
2017年夏に50cc版モンキーの最後を飾ったモンキー・50周年スペシャル。メッキパーツを採用しなんと価格は43万2000円に。それでも500台限定を上回る予約が殺到し、公開抽選の上販売された

 50ccからの125cc化。その大きな理由のひとつは、原付(50ccの原付1種)自体が存続の危機を迎えていることだ。

 大きな影を落としているのは、厳しくなる一方の排出ガス規制。交通の多様化などにより原付1種の販売台数の落ち込みに歯止めがかからない状況下で、今や完全にガラパゴス化し日本国内市場しかない原付1種モデルに排ガス規制対応の開発予算を割くことは、現実的ではない。

 50ccスクーターのラインナップをなんとか維持すべく、ホンダとヤマハが協業してプラットフォームを共通化したほどの苦境にあって、新型モデルを開発する余裕は皆無と言っていいだろう。小排気量のファンモデルは海外での需要も見込める125ccにシフトしているのが実情だ。

 もうひとつの理由は、強い逆風の中でも知恵を絞り、どうにか話題を生み出そうとするホンダのしたたかな強さだろう。

 ホンダから登場する125ccのネオクラシックモデルは、日本国内においては完全に”おじさんホイホイ”という役割を果たしている。モンキーもハンターカブも、そして登場するであろうダックスも、オリジナルモデルに親しんだ世代の年齢層は高い。

2018年7月に発売されたモンキー125。ミニマムサイズだったモンキー(50)に比べて大きくなったことから往年のファンでは賛否両論だったが、一般的な支持もあり人気モデルに
2018年7月に発売されたモンキー125。ミニマムサイズだったモンキー(50)に比べて大きくなったことから往年のファンでは賛否両論だったが、一般的な支持もあり人気モデルに

 日本自動車工業会によると2019年の2輪の新車購入者平均年齢は54.7歳で、50~60代が全体の56%を占める。データからも、おじさんに的を絞るのが賢明だということが分かるだろう。

 グローバル展開しやすい125ccという排気量に加え、日本での需要も見込めるモデルとして、ホンダは往年のアイコンを次々と再浮上させている、というわけだ。

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