■エンジンはオールニューの新世代を採用!? しかも5速
排気量を125ccにして次々と往年の名車を復活させているホンダ。新型ダックス125には、グロム(125cc)をベースにした空冷単気筒エンジンが搭載されると思われてきた。
ところが、このグロムがタイで10月21日にフルモデルチェンジを発表。エンジンはオールニューとなり、変速機も4速から5速に変更されたのだ。最新の情報では、新型ダックスにはこの新しいエンジンが投入される模様。
将来的には同系のエンジンを採用する他のモデルも、順次新型エンジンに切り替えられていくはずだ。
この新世代125ccエンジンは、タイ版スーパーカブに新搭載された「ホンダスマートエンジン(110cc)」がベース。ストロークは共通だが、ボアを拡大することで125cc仕様としている。
「ホンダスマートエンジン」の変速機は遠心クラッチ4速ミッションだが、新世代125ccエンジンはスポーティなマニュアル式5速。新型グロムを皮切りに、新型ダックスにも搭載される、という流れだ。
従来型グロムやモンキー125が採用していた4速ミッションの加速フィーリングは、まったり系。これがマニュアル式5速ミッションによりどう変化するかも見所となる。
■なぜ次々に往年のホンダ4ミニ名車が125ccで復活するのか
50ccからの125cc化。その大きな理由のひとつは、原付(50ccの原付1種)自体が存続の危機を迎えていることだ。
大きな影を落としているのは、厳しくなる一方の排出ガス規制。交通の多様化などにより原付1種の販売台数の落ち込みに歯止めがかからない状況下で、今や完全にガラパゴス化し日本国内市場しかない原付1種モデルに排ガス規制対応の開発予算を割くことは、現実的ではない。
50ccスクーターのラインナップをなんとか維持すべく、ホンダとヤマハが協業してプラットフォームを共通化したほどの苦境にあって、新型モデルを開発する余裕は皆無と言っていいだろう。小排気量のファンモデルは海外での需要も見込める125ccにシフトしているのが実情だ。
もうひとつの理由は、強い逆風の中でも知恵を絞り、どうにか話題を生み出そうとするホンダのしたたかな強さだろう。
ホンダから登場する125ccのネオクラシックモデルは、日本国内においては完全に”おじさんホイホイ”という役割を果たしている。モンキーもハンターカブも、そして登場するであろうダックスも、オリジナルモデルに親しんだ世代の年齢層は高い。
日本自動車工業会によると2019年の2輪の新車購入者平均年齢は54.7歳で、50~60代が全体の56%を占める。データからも、おじさんに的を絞るのが賢明だということが分かるだろう。
グローバル展開しやすい125ccという排気量に加え、日本での需要も見込めるモデルとして、ホンダは往年のアイコンを次々と再浮上させている、というわけだ。
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