そっくり? まがいもの?? デザインより「魂の継承」 かつての名車を意識したスポーツカー 5選

新旧アルピーヌA110

新生A110のデザインは元祖をオマージュしているが、ボディサイズは全長4200×全幅1800×全高1250mmと大型化。駆動方式もRRではなくミドシップ
新生A110のデザインは元祖をオマージュしているが、ボディサイズは全長4200×全幅1800×全高1250mmと大型化。駆動方式もRRではなくミドシップ

 後にルノー傘下となるフランスのアルピーヌ社が1963年にリリースしたA110は、RRの乗用車をベースとしたスポーツカーである。

 搭載されるエンジンにパワフルなものは少なかったが、軽さとRRの強いトラクションを生かし、特にラリーでは大活躍した。

 A110は1977年に絶版となるのだが、それから40年の節目となった2017年に復活したのが現在のA110である。

 復活したA110はかつてのA110ソックリのスタイルを持つが、駆動方式はエンジン横置きのミッドシップとなり、車格や価格も1.8L直ターボの搭載などによりポルシェボクスターあたりに近いものとなった。

 しかしアルミボディの採用などにより車重は1100kg台前半と非常に軽く、コーナリングの速さを武器にするというのはかつてのA110と共通だ。

 また現代のスポーツカーらしく、サーキットなどで速さを安全に楽しめる点も大きな魅力だ。

1963年にデビューした元祖A110のボディサイズは全長3850×全幅1460×全高1130mmで軽量ボディによりラリーでも大活躍
1963年にデビューした元祖A110のボディサイズは全長3850×全幅1460×全高1130mmで軽量ボディによりラリーでも大活躍

ベンツSLRマクラーレンと300SLR

跳ね上げ式ドアが特徴的なSLRマクラーレン。2003年に約50年ぶりにSRLの名称が復活して話題になった。当時のメルセデスのデザイントレンドの丸4灯も懐かしい
跳ね上げ式ドアが特徴的なSLRマクラーレン。2003年に約50年ぶりにSRLの名称が復活して話題になった。当時のメルセデスのデザイントレンドの丸4灯も懐かしい

 1955年のル・マン24時間レースやミッレミリアなどの公道レースに参戦したベンツ300SLRは、あの300SLとは車名が似ているだけで関係性のない、前年となる1954年のF1を戦ったW196をベースとしたGTカテゴリーのレーシングカーである。

 300SLRから約50年が経った2003年に登場したSLRマクラーレンは、当時ベンツがF1でエンジンを供給していたマクラーレンの市販車部門となるマクラーレンカーズ(現在のマクラーレンオートモーティブ)が生産を担当した、スーパーカーだ。

 SLRマクラーレンはカーボンボディを持ち、5.4L、V8スーパーチャージャー+5速ATというパワートレーンを搭載し、スタンダードなクーペボディで0-100km/h加速3.8秒、最高速334km/hというパフォーマンスを誇った。

 日本での価格は5985万円というスーパーカーである。

300SLRは1955年のスポーツカーレースに投入されたレーシングマシンで、722のゼッケン番号は特別な意味を持っている
300SLRは1955年のスポーツカーレースに投入されたレーシングマシンで、722のゼッケン番号は特別な意味を持っている

 SLRマクラーレンは300SLRとは形は異なるもののガルウイングドアや、300SLRに高速域でのブレーキングの際の安定性を高めるために採用されたエアブレーキに相当する機能が与えられた。

 また、W196をドライブしたスターリング・モス氏が付けたカーナンバーをグレード名にした722エディションや、W196の1つであるW196Sをイメージしたスタイルを持つスターリング・モスの設定などで、300SLRをオマージュした。

 なおSLRマクラーレンは2009年で生産終了となるのだが、後継車となったSLS AMGもガルウイングドアなどで300SLをオマージュしたモデルだった。

2009年に発表されたSLRマクラーレンシリーズの最終兵器がSLRスターリング・モスで、全世界で75台限定で販売された。車両価格は約1億円
2009年に発表されたSLRマクラーレンシリーズの最終兵器がSLRスターリング・モスで、全世界で75台限定で販売された。車両価格は約1億円

【画像ギャラリー】正式デビューは2021年末か!? 次期フェアレディZとS30&Z32を見比べてオマージュの度合いをチェック!!

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