次世代車は普及が大前提
当然ながら、EV、PHV、FCV、クリーンディーゼルなどの次世代車についても自工会では言及している。
2030年の次世代車政府普及目標の達成、2050年のカーボンニュートラル達成には、次世代車の普及なしではありえない。そのためには、現状どおりに免税措置の継続を要求。
また、次世代車の普及のためにはインフラの整備は不可欠で、燃料電池自動車など低公害車については、燃料電池車の普及のためにも、令和3年3月末に適用期限となる水素充填施設に対する固定資産税の特例措置の継続が不可欠であることを強調。
加えて電気自動車の普及や災害時に有効活用できることからも、高出力充電器を固定資産税の特例措置の対象施設に加えるべきであると主張。
予算要望
自工会では、補助金の拡充・延長についても言及している。
まず1点目は、今後さらに高齢化社会となり、高齢者が運転することを考えたうえで重要になってくるのがサポカー補助金だ。
現行のサポカー補助金は、65歳以上が条件で、2021年3月末までが補助金が支払われる期間となっているのに対し、自工会では、年齢要件の撤廃、期間延長を要求している。
また現行のCFV補助金はEV(上限40万円)、PHV車(上限20万円)、燃料電池車(上限225万円)、クリーンディーゼル(上限15万円)となっているが、補助金の増額と期間の延長の必要性を述べている。これは、前述のとおり普及のためだ。
企業税制
2020年は新型コロナウイルス感染拡大により世界規模で経済活動が抑制され、日本の基幹産業であるクルマ産業も大きな打撃を受けた。6月以降は徐々に回復傾向にあるが、5月の国内販売は、前年比マイナス44.9%にまで落ち込んだ。
コロナ禍を乗り切り、コロナ後に日本経済のけん引役となるべく努力を続けている企業に対して、税制面での支援を嘆願している。
その項目は多岐にわたるが、大きく分けると、以下のとおり。
■研究開発税制の拡充
■固定資産税の大幅な引き下げ
■法人事業税の資本割・付加価値割の減税、事業所税の廃止
■法人税率の実効税率引き下げ
日本のクルマユーザーの税負担は世界一高い
日本の自家用車ユーザーは例えば240万円のクルマを13年間使用すると、6種類の自動車関連諸税が課せられ、その税負担額は約180万円になると試算されている。
これはアメリカに比べて約30倍、ドイツの約4.8倍、イギリスの約2.2倍もの税金を支払っているという。少なくとも先進国の中では日本は世界で最も税負担が大きい。
個人ではなく、全体で見てみるとどうなるか?
日本のクルマユーザーは、取得、所有、走行(燃料)という各段階においてなんと9種類もの税金が課せられ、年間9兆円にもなっているというから驚く。
昔から言われ続けているガソリンの二重課税などを含め、クリーンかつ納得できる税制になってもらいたいものだ。
最後にこれは言っておきたい。現状では自動車税が初年度登録から13年超で高くなる。古いクルマに優遇するという世界的な流れとは逆行しているのは改善すべきだろう。
今回の要望の中には入っていないが、自動車税についての悪しき制度の見直しも早急にお願いしたい。
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