車の税金は高すぎる!! なんとかして!! 自工会が税制改正の要望を公表

 2020年11月24日に一般社団法人 日本自動車工業会(以下自工会・豊田章男会長)は、リモート会見により令和3年度の税制改正への要望事項を発表した。

 日本のクルマユーザーの高すぎる税負担を軽減するとともに、補助金による購入支援で国内市場の活性化を図るとともに、コロナ後の日本の経済復興のカギを握る企業に対して、税制面での支援をお願いするものだ。

 どのような内容が盛り込まれているのかについて考察する。

文/ベストカーWeb編集部、写真/TOYOTA、NISSAN、HONDA、MITSUBISHI、MAZDA

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自動車の取得時にかかる税負担の大幅な軽減が狙い

 自工会がまとめた税制改正・予算に関する要望は、ともに令和3年度(2021年4月~2022年3月)に税制改正される自動車税制と企業税制に分かれている。

 まずは、自動車税制についての要求について具体的に見ていく。

■環境性能割
 自動車取得税が廃止になった代わりに登場した自動車税・軽自動車税の環境性能割は、取得価額に環境性能に応じて課税(登録車:0~3%、営業車:0~2%)されていて、取得税廃止の意味をなしていない。

 消費税対策で2020年9月末まで税率1%ぶんを軽減する臨時的措置は、コロナ禍において2021年3月末まで延長されたが、最低でも現状維持、特段の措置を要求。

軽自動車は車両価格は高くなっているが、優遇されている税制での変更は販売にシビアに響く。今軽自動車が売れなくなると大変

■自動車税の月割り課税
 購入時の自動車税の月割り課税を廃止することも必要であるとの見解を示している。

■自動車重量税の当分の間税率の廃止
 そもそも自動車重量税はすでに課税根拠を喪失している。本則税率に上乗せされている当分の間税率(1000分の407)を廃止すべきと主張。

■エコカー減税
 令和3年3月末に期限切れとなる自動車税・軽自動車税のグリーン化特例は、自動車ユーザーの選択肢を増やすためにも、対象を絞り込むことなく延長すべきと断言。

 現在は2020年度燃費基準達成車から減税対象となっている。それに対し、2021年4月からは、2030年度燃費基準が対象で、その2030年度燃費基準は、2020年度燃費基準に対し平均44.3%という厳しい改善が要求される。

 そのため減税対象は2030年度燃費基準の40~45%達成車とすべきというのが自工会サイドの主張だ。

 上記のものなどにより、自動車の取得時にかかる税負担の軽減を狙っている。

次世代車は普及が大前提

 当然ながら、EV、PHV、FCV、クリーンディーゼルなどの次世代車についても自工会では言及している。

 2030年の次世代車政府普及目標の達成、2050年のカーボンニュートラル達成には、次世代車の普及なしではありえない。そのためには、現状どおりに免税措置の継続を要求。

 また、次世代車の普及のためにはインフラの整備は不可欠で、燃料電池自動車など低公害車については、燃料電池車の普及のためにも、令和3年3月末に適用期限となる水素充填施設に対する固定資産税の特例措置の継続が不可欠であることを強調。

 加えて電気自動車の普及や災害時に有効活用できることからも、高出力充電器を固定資産税の特例措置の対象施設に加えるべきであると主張。

EVのインフラはかなり進んできているが、さらに販売台数を伸ばし普及させるためには、高出力充電器の増設は必須となる

予算要望

ホンダeはCEV補助金の対象となっていて金額は、23万6000円(標準)と16万8000円(アドバンス)

 自工会では、補助金の拡充・延長についても言及している。

 まず1点目は、今後さらに高齢化社会となり、高齢者が運転することを考えたうえで重要になってくるのがサポカー補助金だ。

 現行のサポカー補助金は、65歳以上が条件で、2021年3月末までが補助金が支払われる期間となっているのに対し、自工会では、年齢要件の撤廃、期間延長を要求している。

 また現行のCFV補助金はEV(上限40万円)、PHV車(上限20万円)、燃料電池車(上限225万円)、クリーンディーゼル(上限15万円)となっているが、補助金の増額と期間の延長の必要性を述べている。これは、前述のとおり普及のためだ。

燃料電池車の普及も2050年にカーボンニュートラルを達成するためには欠かせない存在となるが、普及は進まず苦戦中。写真は新型MIRAI

企業税制

 2020年は新型コロナウイルス感染拡大により世界規模で経済活動が抑制され、日本の基幹産業であるクルマ産業も大きな打撃を受けた。6月以降は徐々に回復傾向にあるが、5月の国内販売は、前年比マイナス44.9%にまで落ち込んだ。

 コロナ禍を乗り切り、コロナ後に日本経済のけん引役となるべく努力を続けている企業に対して、税制面での支援を嘆願している。

 その項目は多岐にわたるが、大きく分けると、以下のとおり。

■研究開発税制の拡充
■固定資産税の大幅な引き下げ
■法人事業税の資本割・付加価値割の減税、事業所税の廃止
■法人税率の実効税率引き下げ

日本のクルマユーザーの税負担は世界一高い

 日本の自家用車ユーザーは例えば240万円のクルマを13年間使用すると、6種類の自動車関連諸税が課せられ、その税負担額は約180万円になると試算されている。

 これはアメリカに比べて約30倍、ドイツの約4.8倍、イギリスの約2.2倍もの税金を支払っているという。少なくとも先進国の中では日本は世界で最も税負担が大きい。

 個人ではなく、全体で見てみるとどうなるか?

 日本のクルマユーザーは、取得、所有、走行(燃料)という各段階においてなんと9種類もの税金が課せられ、年間9兆円にもなっているというから驚く。

 昔から言われ続けているガソリンの二重課税などを含め、クリーンかつ納得できる税制になってもらいたいものだ。

 最後にこれは言っておきたい。現状では自動車税が初年度登録から13年超で高くなる。古いクルマに優遇するという世界的な流れとは逆行しているのは改善すべきだろう。

 今回の要望の中には入っていないが、自動車税についての悪しき制度の見直しも早急にお願いしたい。

車両価格240万円といえばヤリスクロスが匹敵。新車で購入して13年間乗ると、税額は車両価格の75%に相当する約180万円。高額車はさらに高くなる

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