ヤリス、フィット…人気車たちの120km/hでの燃費は?? 禁断の超高速燃費テストを実施

コンベエンジン、ヤリスの意外な結果

 では、複雑なハイブリッドシステムをぜんぶ取っ払ってしまって、最新ガソリンエンジンの「ナマの」燃費性能を引き出したらどうなるか? そのいい見本がヤリスの1.5LガソリンCVTモデルだ。

 コイツが叩き出した燃費テストの数字は、なんと80km/hと100km/hでは堂々のトップ。120km/hでもトップのレクサスESからわずか0.2km/L差の3位。

ヤリスZ(1.5Lガソリンエンジン)…16.4km/L(WLTC値=21.6km/L)
ヤリスZ(1.5Lガソリンエンジン)…16.4km/L(WLTC値=21.6km/L)

 加減速の少ない高速巡航に的を絞れば、コンベンショナルなガソリンエンジンの燃費はここまで進化しているという事実に、スタッフ一同ホントにびっくりしたのだった。

 ヤリスのガソリンエンジン仕様がこういう特性なのは、言うまでもなく欧州市場を重要なターゲットとしているから。マーケット事情にあわせた燃費性能が造り込まれているという意味では、日本市場メインのフィットHVやキックスe-POWERと対照的といえる。

 これと同様、今回テストした唯一の欧州車メルセデスC200も120km/hあたりから本気を出しはじめる印象で、140km/hとか160km/hの燃費を計測したら興味深いデータをマークしたはず。

ベンツC200(1.5Lターボ+48Vマイルドハイブリッド)…13.9km/L(WLTC値=12.9km/L)
ベンツC200(1.5Lターボ+48Vマイルドハイブリッド)…13.9km/L(WLTC値=12.9km/L)

 ハイブリッドは渋滞が多く平均速度の低い環境で使うのとベストだが、高速オンリーなら最新のガソリンエンジンも侮れない。

 事情のよくわかっていないマスメディアは電動化電動化と騒ぐけれど、こと高速巡航に限っていえば最近の内燃機関の進化は驚くべきものがある。

 こういう深掘りした事実が見えてくるからこそ、わざわざJARIまで試乗車を持ってきてテストする価値があるあるってもの。

 やっぱ、手間ヒマかけてページを作ってるベストカーは素晴らしいわ(笑)。

●120km/h巡航時の実測燃費
・レクサスES300h(2.5L+ストロングハイブリッド)…16.7km/L(WLTC値=22.3km/L)
・ホンダアコード(e:HEV 2L+2モーターハイブリッド)…16.5km/L(WLTC値=22.8km/L)
・ヤリスZ(1.5Lガソリンエンジン)…16.4km/L(WLTC値=21.6km/L)
・ヤリスクロスハイブリッド(E-Four 1.5L+ストロングハイブリッド)…16.2km/L(WLTC値=28.1km/L)
・フィットHOMEハイブリッド(e:HEV 1.5L+2モーターハイブリッド)…14.6km/L(WLTC値=28.8km/L)
・ベンツC200(1.5Lターボ+48Vマイルドハイブリッド)…13.9km/L(WLTC値=12.9km/L)
・キックス(1.2L+e-POWER)…13.7km/L(WLTC値=21.6km/L)

120km/h燃費テストで実証された結果

・最新のトヨタハイブリッドは120km/h巡航でも燃費の落ち幅は小さい。
・キックスのe-POWERは全般的に高速巡航燃費で不利。
・ベンツC200の1.5Lターボは、意外と120km/h巡航燃費が伸びなかった。
・アコードのe:HEVは120km/h巡航で好結果をマーク。
・ヤリスのコンベンショナル1.5Lが120km/hでも好結果をマークした。
・フィットのe:HEVは100km/hを超えると燃費悪化。

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