「一回だけしか教習でやっていないし、その時も教官に言われるがままにアクセル踏んだだけだし…」
こうした運転初心者のみならず、一般的なドライバーでも「苦手だ」と感じる人が多い、高速道路本線への合流。一瞬の判断の間違いが事故に繋がりかねないだけに、慎重にならざるをえませんが、しかし慎重になりすぎていては、いつまでも合流できないだけでなく、かえって事故を招く結果にもなります。
「そんなこと、今さら聞かなくても大丈夫だよ」とは言わず、高速道路での運転に慣れていない友人や、免許取りたての子供の横で、「適格にアドバイスができるか」という視点で、今一度、見直してみましょう。
文:吉川賢一 写真:Adobe Stock
■高速道路本線へ上手く合流する方法
本線への合流は加速車線の範囲内で行う必要があり、ある程度の「感覚」が必要ではあります。
合流の際の手順としては、
(1)加速車線に繋がる手前の誘導路(ぐるっと曲がっているような部分)で、自車の前方を確認します。このとき、前走車がいたら、十分に車間距離をとっておきます。これが意外と重要。このあと加速をするための”滑走路“を用意するのです。
(2)加速車線の少し手前でウインカーを出し、同時に合流する本線の状況をチェックします。本線を走るクルマと同じか、それ以上の速度まで加速をしながら、ドアミラーで本線を走っているクルマの動きを見て「あのクルマの後ろに入ろう」と目標を決めます。「後ろに入る」がポイント。「追われる」より「追う」ほうが心理的にも楽です。
(3)目標としたクルマの斜め後方につけるよう、速度を調節します。
(4)ルームミラーで自車の後続車の動きを確認(自車よりも先に本線に入る可能性もあるため)、ドアミラーで本線の後続車との車間距離を確認し、目視で死角の安全確認をしてから、ゆっくりとハンドルを操作します。
■高速道路への合流が怖いと感じる人がやるべきこと
合流に慣れないうちは、合流の際に「本線の後続車とぶつかったらどうしよう」と不安になるかと思います。前述したように、自分の横(本線)を通り過ぎていったクルマを追いかけるイメージで合流すると、恐怖は少なくなります。意識は後方でなく、前方の車に集中するからです。もちろん、安全確認は十分に行ったうえで、合流してください。
■高速道路の合流でやってはいけないこと
タイミングが合わずどうしても合流できなかったり、妨害されて怖くなったりしたとしても、停止しないようにしてください。一度止まってしまうと、加速車線だけでは本線を走るクルマと同じ100km/h付近まで加速しきれなくなります。十分な加速をしないで本線に合流するのは非常に危険で、後続のクルマに迷惑をかけることになり、こうしたマナー違反は「あおり運転」を引き起こす原因にもなり、大変危険です。
■本線を走るクルマへの「意思表示」も大事
本線を走るクルマのドライバーの立場から考えてみましょう。「合流してくるクルマがいる」とドライバーが認識をすれば、いち早く危険を回避するため、そのクルマがどこに入ろうとしているのか、クルマの動きを注視します。
そのとき本線を走るドライバーがいちばん怖いのが、「合流しようとしているクルマが、どこで合流しようか迷っていること」です。「ここで合流したいです」という明確な意思表示があれば、本線を走るクルマとしては、減速したり、あれば右車線へ移動するなど、危険を回避する方法もあるもの。後続車との車間距離を見極め、ここだと思ったら積極的に車線に入る必要があります。
コメント
コメントの使い方高速道路の本線への合流はともすると煽りのきっかけになるので、慎重に
、無理して入ったらすぐ後続車に失礼しましたのサインを出す、お互いに譲り合えばトラブルは防げるのでは、公共性の高いバスは優先にすることは大事だと思う。