トヨタがプリウスαの生産終了を発表。2013年に年間10万4000台を売り上げ、本家プリウスに迫る人気を誇ったモデルは、なぜ衰退した?
最近のトヨタは、車種の廃止に乗り出している。直近でもマークX、ルーミーの姉妹車になるタンク、商用車ではタウンエースの姉妹車となるライトエース、プロボックスの姉妹車になるサクシードなどを廃止した。
トヨタは2020年5月から、4系列の全販売店が全車種を販売する体制を全国的に実施しており、姉妹車を用意するメリットが消滅した。そこで売れ行きの乏しい車種を中心に、廃止が始まっている。
文/渡辺陽一郎
写真/TOYOTA
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■最盛期は年間10万台超! プリウスαは来年3月生産終了に
そして、プリウスαも廃止されることになった。トヨタの公式ウェブサイトには「2021年3月末をもって生産終了」と記載されている。
プリウスαは、先代プリウスをベースに開発されたワゴン風のハイブリッド専用車だ。先代プリウスに比べると全長を170mm、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)を80mm拡大して、リアゲートの角度も立てた。
このボディ形状により、後席の足元空間と荷室容量が拡大している。先代プリウスは後席の頭上空間が少し狭い5ドアハッチバックだったが、プリウスαは、4名乗車の快適なワゴンになっている。
さらに、プリウスαでは、荷室に折り畳み式の補助席を装着する7人乗りも用意した。大人が多人数で乗車すると、3列目の乗員は膝の持ち上がった窮屈な着座姿勢を強いられる。多人数の移動は、片道15分程度が限界だが、最寄の駅まで送迎する時などは役に立つ。
プリウスαは2011年に発売され、発売後1か月の受注台数が5万2000台に達した。2013年の時点でも、年間10万4000台/月平均約8700台を販売して、プリウス全体の約40%を占めていた。
この後も堅調に売れたが、徐々に下がり始め、2015年に5ドアハッチバックのプリウスが現行型にフルモデルチェンジすると、さらに低迷していく。2019年の登録台数は、月平均で約1000台だから、2013年の11%まで下がった。
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