プリウスα なぜ衰退?人気車から絶版へ! 時代とともにHVの「価値」変化


■HV専売車としての「プリウス」の価値も変化

先代モデルの3代目プリウス。トヨタのハイブリッド=プリウスという図式のなか歴代でも屈指の販売台数を誇ったが、現在はその立ち位置に変化が生じてきている

 また、プリウスという車種の存在感も変化した。

 プリウスαのベースになった先代プリウスは絶大な人気を誇り、発売された翌年の2010年には月平均で約2万6000台を販売した。この台数には、2代目の継続生産型になるプリウスEXも少数含まれていたが、当時のプリウスは圧倒的な人気車であった。

 高人気の背景には、動力性能、燃費、安全装備などを大幅に向上させ、2代目インサイトに対抗すべく価格は安く抑えたことがある。さらに2代目を扱う販売系列は、トヨタ店とトヨペット店だったが、3代目の先代型ではトヨタカローラ店とネッツトヨタ店を加えて4系列になった。

 これらの要素に加えて、当時はトヨタの中でもハイブリッド搭載車が限られ(先代プリウスの発売時点ではアクアも登場していなかった)、先代プリウスは絶好調に売れた。その派生車種だから、プリウスαも注目された事情がある。

 しかし、今は前述の通り大半のトヨタ車にハイブリッドが用意され、もはや珍しい環境技術ではない。そうなると、どこから見てもハイブリッドだと分かる「ハイブリッド専用車」の価値(ありがたみ)も薄れる。

■次期型の登場は本当にない?

プリウスαは改良を経て2011年から売り続けられたロングランモデル。プリウス本体が2015年にモデルチェンジした後も新型への刷新とはならず、このまま次期型の登場はない?

 現行プリウスの国内登録台数は、コロナ禍の影響を受ける前の2019年において、プリウスαやプラグインハイブリッドのPHVまで含めて月平均が約1万500台であった。この販売実績は2010年の約40%に留まる。

 数多くのトヨタ車に、ハイブリッドを搭載するグレードを用意すれば、ハイブリッド専用車となるプリウスやプリウスαの売れ行きが下がるのは当然だ。

 以前から予想できたことなので、車種を減らす方針もあり、プリウスαのフルモデルチェンジは行われず生産を終える。

 当然の成り行きといえるが、車種の廃止は寂しい。

「プリウス」をハイブリッドの先進シリーズに位置付け、燃費効率を追求したスペシャルティなモデル、快適かつ上質なワゴン、運転の楽しいスポーツモデルなどをラインナップする方法もあるだろう。

 プリウスは、クラウンと並ぶ存在感の強いブランドで、ユーザー、トヨタ、さらに自動車業界全体に与えた影響も大きい。このまま埋もれさせるのは惜しいブランドだ。

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