日産屈指の名門車「ブルーバード」の系譜をひくミドルセダン「シルフィ」の生産終了を日産が公表。海外では発売されているスタイリッシュな新型は日本に導入せず?
そして、このまま国内向けのシルフィは絶版となるのか? 販売現場の声も含め、日産の名門車の今とこれからを追った。
文/渡辺陽一郎、写真/日産
【画像ギャラリー】日産名門車 ブルーバードからシルフィまでの歴代車をイッキにみる
「シルフィを継続させる話は聞いていない」
先般、日産シルフィが生産を終える趣旨の報道があった。日産によると「生産は2020年9月に終了しているが、公式ホームページなどではアナウンスしていない」とのことだ。
日産の販売店ではどのように受け止めているのか、今後の動向も含めて問い合わせると以下の返答であった。
「生産はすでに終了しており、少数の在庫車が残っている程度だ。シルフィは従来型(ブルーバードシルフィ)の保有台数が相応にあって、乗り替えを希望されるお客様もいるが、今後継続させる話はメーカーから聞いていない」
「シルフィは現行型が3ナンバー車になって売れ行きを下げた。今後、新型車が登場するとしても、セダンではなく人気の高いSUVだと思う」
最初のシルフィは、2000年に「ブルーバードシルフィ」の車名で発売された。当時はブルーバードも併売され、ブルーバードシルフィはホイールベース(前輪と後輪の間隔)などをサニーと共通化したコンパクトな上級セダンとして企画された。
ブルーバードは2001年に生産を終えたが、ブルーバードシルフィは堅調に売れて、2002年の時点でも1か月に約2700台が登録されている。1998年に発売された最終型の9代目サニーが1か月平均で約4100台だから、ブルーバードシルフィも堅調な売れ方であった。
この後2005年にフルモデルチェンジを行い、ホイールベースを2700mmまで伸ばすことで、5ナンバーサイズのセダンとしては最大級の室内空間を確保した。特に後席は、Lサイズセダン並みに広い。
運転しやすく、4名乗車も快適なことから、フォーマルなセダンボディと併せてビジネスの用途でも人気を高めた。2006年には、1か月に2000~3000台が登録されている。
コメント
コメントの使い方