名門ブルーバード後継「シルフィ」生産終了と次期型の行方


海外向けの新型シルフィ なぜ日本に導入されない?

上海モーターショー2019にて世界初公開した新型シルフィ。2019年7月に中国で発売開始したが、日本では販売していない

 日産はなぜ新型シルフィを日本に導入しないのか。2019年の時点でメーカーに尋ねると、以下の返答であった。

「今は選択と集中により、国内で発売する新型車を厳選している。今後国内に投入するのは、市場環境に適する選ばれた車種になる」

 その選ばれた車種が、最近登場した一連の新型車だが、従来から用意されていなかった車種はキックスだけだ。

 ただし、これもジュークの後継で、ノートやルークスは従来型のフルモデルチェンジになる。キューブやティアナは最近廃止されたから、2021年にアリアなどが新規投入されても、日産の車種数は依然として減ったまままだ。

 日本だけで販売する車種は、国内で大量に売れる見込みがないと開発できないが、海外向けのシルフィには日本仕様があって良いだろう。

 車名はブルーバードを復活させたい。1か月に約150台という登録台数は確かに少ないが、マツダ6もセダンに限れば200台前後だ。

日産にとって名門ブルーバードと後継シルフィの価値とは?

シルフィの前身となる初代ブルーバード310型系(販売時期:1959年~1963年)

 そして、シルフィの前身となるブルーバードは、初代モデルを1959年に発売した。この型式は310型で、それ以前の210型と110型は、第二次世界大戦後に開発されたダットサンに使われている。

 過去をさらに遡ると、日産は1935年に、日本で初めて乗用車の本格大量生産に乗り出しだ。この時に製造されていたのが、後のブルーバードに繋がるダットサンだから、「ダットサン→ブルーバード→ブルーバードシルフィ→シルフィ」という流れは、85年に及ぶ歴史に支えられている。この伝統は、日産でなければ手に入れられない。

 一般的にいわれる日本車の最長寿ブランドは、ランドクルーザー(命名は1954年)とクラウン(同1955年)だが、ダットサンの発祥はさらに約20年早い。今の日産にとって、このような歴史に関心はないかもしれないが、「日本は大切な市場」などと今になってコメントするなら目を向けるべきだ。

「日本は大切な市場」だからこそ、ブルーバードを復活させるべきだと筆者は語る(3代目510型ブルーバードSSS 販売時期:1967年~1973年)

 日産を好きな人から見れば、「日本は大切な市場」と言った矢先に、シルフィを廃止するのはタイミングがきわめて悪い。せっかく海外で進化した新型シルフィを発売したのだから、日本でもブルーバードとして復活させるべきだ。

 日産は国内で堅調に売れる車種として、軽自動車のデイズとルークス、コンパクトカーのノートとマーチ、SUVのキックスとエクストレイル、ミニバンのセレナやエルグランドを用意する。

 これらのうち、マーチとエルグランドは発売から10年以上を経過して売れ行きが下がり、エクストレイルも海外では新型ローグが登場したから、日本では安全装備などが劣った旧型を売っている状態だ。売れ行きは多少多いが、置かれた状態はシルフィに似ている。

 そのために日産の国内販売ランキング順位は、2020年11月の時点でも、トヨタ、スズキ、ダイハツ、ホンダに次ぐ5位だ(今はホンダも4位)。

もはやこれ以上車種を減らすことはできない。新型シルフィでブルーバードを蘇らせ、日産の国内復権の旗印として掲げて欲しい!

【画像ギャラリー】日産名門車 ブルーバードからシルフィまでの歴代車をイッキにみる