2020年9月21日でデビュー40周年を迎えた「横浜銀蝿」は、嵐(65)、翔(62)、Johnny(62)、TAKU(60)のメンバー全員が大のクルマ好きだ。目指した音楽も「もちろん車を走らせながら聴くためのロックンロールで決まり(嵐)」(『ぶっちぎり最終章』講談社刊より)。4人のうち、最も早く幼い時からクルマに憧れてきたTAKUが、ベストカー編集部の取材に熱い思いを語った。
2回に分けてお届けするTAKUのインタビュー後編では、「新車」「国産車」をキーワードにして、その“クルマ哲学”に迫る。(前編はこちら)
文:堀晃和/メイン写真:中里慎一郎
■キャラバン、ローレルを買ってビックリ!!中古車嫌いの潔癖症
「スポーツカーしか眼中にない」。少年時代から頑なにそう考えてきたTAKUが興味を持った意外なクルマがある。ホンダの小型車シティだ。
1981年秋に発売された新型車。車高が通常のクルマよりも高いため「トールボーイ」とも呼ばれ、ユニークな洒落た形状で大ヒットした。
「カタチが画期的に見えたのね。当時は、ダルマ(セリカ1600GT)とコルベット・スティングレイの2台持ち。2台目はセリカじゃなくシティにしようと」
当時は銀蝿でブレイクして金回りが良かった。ホイールを換え、オーバーフェンダーにして、マフラーも取り換えた。「納車の日に、環八(環状の都道)のクルマ屋に行ったよ」
実は、TAKUは中古車が苦手だ。「そもそもオレは潔癖症。つり革とかドアノブを触るのも気になるのに、他の奴が乗ってたなんて冗談じゃない。若い時はお金の面で仕方がないけど、おじいちゃんが新車を乗り継いでいたのを見ていたし、嵐さんと出会うまで中古車を買う発想がなかった」
シティは初めて買った新車になった。以降、アメ車を除き、新車を買うことにしているが、例外が2台ある。日産のキャラバンとローレルだ。
キャラバンは、コンサートやレコーディングに行く際の“楽器車”だ。「マネージャーに購入を頼んだの。そしたら自分が乗るためのマスタングと抱き合わせで買ってきた。2台買うからということで値引きしてもらったんじゃないのかな。それでキャラバンのボディを見ると、10カ所ぐらいパテで修復した跡がある。ツルハシを打ち込まれたみたいな穴。きっと、喧嘩かなんかでやられたんじゃないのかな。ラジエーターにも穴が開いててさ。大きなペットボトルを積んで、冷却水を足しながらレコーディング合宿に行ってたなあ(笑)」
ローレルにもひどい思い出がある。スポーツカー志向なのになぜ購入したのか。銀蝿解散後、中古車販売店を始めた翔に中古車オークションに連れて行ってもらったからだという。
「お土産を買うようなノリで落としてもらったの。スタート5万円で誰からも値段が付かないようなクルマがあるんですよ。それがローレルだった。プロの業者が行く場所だから掃除もしていない現状渡しだった」
正直言って好みではない。でも、せっかくなので一生懸命掃除して、ステアリングもローレルのイメージに合わせてウッド製に取り換えた。そうやって手入れをして乗っていたある日、都内の世田谷通りを走っていると、突然ボンネットが開いて、視界がふさがれた。あわてて道路脇に止めた。
「もう、マンガみたい(笑)。これは乗らないほうがいいと思って、翔さんに引き取ってもらった(笑)」
コメント
コメントの使い方