このほかにも多数絶版に! 2020年の生産終了車は?
●レクサス GS
GSは2005年に日本でレクサスが開業した時から用意されていた主力車種だ。後輪駆動のセダンで、ISとLSの中間に位置する。2018年にほぼ同じサイズで車内の広いESが加わったこともあり、GSは廃止された。
ただしESは前輪駆動、GSは後輪駆動だ。今は駆動方式で商品力は左右されないが、プレミアムブランドにとって大切な運転感覚の違いは依然として残る。
特に現行LSは、全長が5235mm、全幅も1900mmに拡大された。先代LSのユーザーからは「自宅の車庫に収まらない」という声も聞かれる。GSの車名を踏襲するか否かは別にして、レクサスには先代LSの顧客が乗り替えられる後輪駆動のプレミアムセダンが必要だ。
●ホンダ グレイス
先代フィットと基本部分を共通化した5ナンバーサイズのコンパクトセダンだが、後席の足元空間は3ナンバー車並みに広い。実用性や経済性だけでなく、コンパクトセダンとしては、乗り心地と安定性も優れていた。
しかし、雰囲気が地味で販売にも力が入らず、2019年の登録台数は月平均で約530台と低迷した。その結果、終了している。
●ホンダ ジェイド
3ナンバーサイズの3列シート車で、2015年の発売時点では、1か月の販売計画を3000台に設定していた。ところが2017年の月平均は166台で、わずか2年後に売れ行きは目標値の5.5%まで下がった。
敗因はミニバンとしては車内が狭く使いにくいことだ。3列目は窮屈な補助席で、2列目も座面の奥行寸法が短い。満足に座れるのは1列目のみだった。
本来なら走行性能の優れた5ドアハッチバックとして売るべきだったが、市場ではミニバンと受け取られ失敗している。
2018年には改良を施して2列シートも加えた。この後席は3列シート車の2列目に比べると大幅に快適で、RSは走行性能も優れていたが、販売は回復しなかった。
●スズキ バレーノ
インド製の5ドアハッチバックで、現地では上級車種とされる。全長はインドの税制で有利な4m以下に抑えたが、全幅は少しワイドな3ナンバー車だ。ベーシックな欧州車に似た持ち味があったが、売れ行きは伸びず廃止された。
●トヨタ ポルテ/スペイド
全長が4m以内に収まる背の高いコンパクトカーで、左側には1枚のスライドドア、右側には2枚の横開きドアを装着した。
スライドドア部分の床面地上高は、高齢者が無理なく乗り降りできる300mmに抑えられ、助手席の乗降性は抜群だ。車種自体に福祉車両の性格を持たせた。
助手席を前側に寄せて、後席の座面を持ち上げると、スライドドアから車内の中央に大きな荷物を積むことも可能だったが、一般的な機能ではない。
ハイブリッドも用意されず、2019年の登録台数は、ポルテが1か月平均で420台、スペイドは250台程度と低迷して廃止された。優れた商品だったので残念だ。
●ホンダ N-BOXスラッシュ
デザイナーが先代N-BOXをベースに、ルーフを低く抑えた仕様のスケッチを描いたところ「これは面白い」という話になって商品化された。いかにも自由な雰囲気のホンダらしいエピソードだ。
内装にも複数の仕様を設け、上質なオーディオを楽しめる遮音性能を高めたタイプも設定した。電子制御式パーキングブレーキも採用している。それでも一種のアイデア商品だから、後継車種は登場していない。
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