新車を買ったら即乗って帰れる? スバルの人気が爆上がり中?? 驚きのアメリカンカーライフ 25選

 アメリカはいつだって注目の的! 改めてそう感じた先日の大統領選挙。とにかくパワフル・華やかなイメージのアメリカ、カーライフはどんな感じなのか?日本メーカーの立ち位置は? 覗いてみると、驚きのネタの宝庫だった!

 アメリカ事情通の自動車ジャーナリスト、小林敦志氏が驚き話を大公開。実体験に基づくネタも飛び出します!

【画像ギャラリー】ぼーっとしてるとパトカーが突っ込んでくる?? 驚きのアメリカンカーライフを19枚の画像でダイジェストでチェック!

※本稿は2020年11月のものです。この企画では、アメリカ自動車社会の象徴であるカリフォルニア・エリアの話をメインで紹介します
文/小林敦志、写真/Adobe Stock、TOYOTA、SUBARU、LEXUS、Mercedes -Benz、Tesla、Geely Automobile
初出:『ベストカー』 2020年12月26日号


■新車を買ったら即乗って帰ることができる!

 アメリカでの新車購入は日本で自転車を買うのと同じノリと考えるとわかりやすい。

 基本的にはディーラーにストックされている車両から、お気に入りの車種を選んで購入するスタイルとなる。

 ナンバープレートは後日郵送されるので、手続きが終われば、そのまま購入したクルマに乗って帰れる。これぞアメリカンスタイル。

買ったらすぐ乗れる。合理的

■アメリカでも若者のクルマ離れが目立つ

 多くの州で高校生からクルマを運転できるアメリカ。が、アメリカのクルマ社会の象徴であるカリフォルニアですら免許を取らない“クルマ離れ”した若者が増えている。ライドシェアサービスの普及などで、移動には不自由しないのがその理由のひとつ。環境問題に熱心なバイデン政権下ではさらに顕著になるかも(?)。

環境問題への関心の高まりも背景に

■「身の丈に合ったクルマしか買えない」?

 アメリカではローンやリースを使い、新車を買うのが原則。そのローンやリースではクレジットカードも含め、すべての貸し付けと返済状況が与信(相手へ信用を与える)の対象となる。

 その結果、金利は個々で異なり、さらに購入希望車を購入するのに充分な融資額を得られないこともある。そのため、身の丈に合ったクルマしか買えないのである。

「がんばって払います!」は通用しない!?

■住宅街に迷いこむとすぐに警備会社か警察がやってくる

 これは筆者が実体験した話。ラスベガス(ネバダ州)近くの砂漠に、広大な“ニュータウン”が造成されていた。

 興味本位でカリフォルニア州ナンバーのレンタカーで近寄り撮影していると、パトカーに尾行されていることに気がついた。

 アジア人で他州ナンバー車なので不審人物と思われたようだ。その後フリーウェイに入るまで尾行が続けられた。

銃を持っているかもしれないと思えば、防犯に対する意識は嫌でも高くなるだろう

■「歯医者とディーラーには行きたくない」?

 アメリカでは今、リモート商談が普及中。が、それ以外は新車を買う時、ディーラーで半日以上すごすこともザラ。

 その理由はローン審査に時間がかかるから。すべてのクレジット履歴を調べ、融資決裁するのに3~4時間かかるのが一般的。

 点検でも終わるまで待たなければならないので“歯医者並みに待たされる”。ゆえに敬遠傾向が目立つ。

半日以上はキツい

■中国車がおいそれとは北米デビューできない理由

 日本では、新車は監督官庁による検査が必要だが、アメリカでは、わかりやすくいえば消費者団体が市中で販売される車両から“間引き”し、検査をする。

 品質不良車が出回り、消費者団体の検査で問題視された過去がある中国車。中国政府はユーザーなどによる訴訟問題への発展を恐れ、販売に踏み切れない状況だ。

政権が代わったことでこのあたりも変化があるのか? 写真は吉利(ジーリー)のスポーツセダン「プリフェース」

■治安の悪いところほど、沿道整備がゆき届いている

 これも筆者の体験談。地元の人と同乗し移動していると、中央分離帯にきれいな花壇のある通りにさしかかった。

 すると同乗者が「治安の悪いところほど、道路が積極的に整備されます」と話し出した。

 例えが悪いかもしれないが不法投棄のゴミをそのままにしておくと、ゴミがどんどん増えてくるのと同じ論理という。

■フロアマットは「標準装備」!

 日本では“”松竹梅”のように多くの種類が用意され、ディーラーオプションとして選択するのがフロアマット。

 しかし、アメリカでは購入した新車のトランクや荷室にはじめから積んであるのが当たり前(ロゴの入った純正品となっている)。

「オプション扱いになっている日本のほうが不思議だ」とは、現地の事情通。

日本ではオプション扱いのフロアマット

■現金購入は基本的になし。が、お金持ちは小切手で買うことも

 新車の現金購入は反社会的勢力による資金洗浄を避ける意味からも原則受け付けない。ただ、小切手での購入比率は高級ブランド車では多い。

 あるお金持ちがレクサスLSを買いにきたところ、納車待ちとなったので、その場にあったESを“つなぎ”のため小切手をきって購入していったという話もある。

 お金持ちはどこの国もスケールがデカい。

ESがつなぎね…ふーん…

【閑話休題2】スバル、富裕層に人気!BMWからの乗り換えも

 今ではアウディやBMWあたりからの乗り換えも目立ち、ブランドステイタス自体が確実に上がっているのがスバル。

 乗り換え車種を見ても、感度のいい富裕層が今の人気を支えているといってもいいだろう。

 アイサイトがアメリカでも導入されると、水平対向や4WDよりも、“安全性能の高さ”で一気にステイタスを上げた。

 ハリウッド映画でも、知的職業役の愛車はかつてボルボが定番だったが、最近ではアウトバックが目立ってきている。

最新技術「アイサイトX」が浸透すればさらなる躍進も期待できる?

■中古日本車を所有するだけでステイタスが上がる

 レンタカー会社の受付の黒人女性が、「最近ホンダシビックの中古車を購入したのよ」と筆者に話しかけてきたことがある。

 中古車でもローンを組んで買う傾向は強いが、高・中年式はもちろん、低年式でも日本車はリセールバリューが高い傾向。

 それゆえ、中古日本車購入時に融資が通る階層は限られており、ステイタスになるようだ。

■レクサスがトヨタのブランド、ということを知らない

 レクサス店にやってきたある客に、「ハイブリッドはいかがですか?」と尋ねたら、「ハイブリッドならトヨタ車買うよ」との返答。

 話を聞くと、レクサスはトヨタのブランドという認識がない様子。製造プレートを見せて納得してもらった……という。

 アメリカではトヨタから完璧に独立したブランドとしてレクサスは根付いている。それが垣間見えるエピソード。

レクサスIS。日本のブランドとして認知されていないのは、悔しいような

■クリスマスギフトとして新車を買う。

 アメリカではギフトとしてクリスマスに新車が多く売れるという。ある得意客が奥さんに新車(500万円ほどの高級車)をギフトとして購入。

 クリスマスの朝にガレージの奥さんのクルマを内緒で新車に換え、セールスマンにサンタの格好をさせて、奥さんにサプライズプレゼントしたという話もある。夢のある、アメリカだ。

■ユーザーの高齢化に悩む、トヨタ・メルセデスベンツ

 トヨタやベンツといった“量販ブランド”の多くはユーザーの高齢化が顕著。ベンツがCLAなどFFのカジュアルモデルを投入するのは若年ユーザー獲得のための対策の一例だ。

 一方で馴染み客も多く、たまにディーラーで“お得意様パーティ”を開き、代替え促進や購入希望客の紹介を募っていることもある。馴染み(高齢)客を持つ強みだ。

ベンツ CLA45 AMG。若年ユーザーの「囲い込み」はどこの国でも課題となっているようだ

■自家整備は昔の話。今はアメリカ人もディーラー頼み

 アメリカのカーライフといえば、自宅ガレージで愛車の整備をしている映画などのシーンを連想しがち。

 南カリフォルニア在住の知人はこう話す。「今はオイル交換したって廃油の処理に困る。しかも、新車にはメンテナンスパックが標準付帯されるので、メンテナンスはディーラー任せが一番だね」。現状はこんな感じだ。

■カー用品店でエンジンが売られていたことも

 日本のチェーン展開のようなカー用品店はあるが、かなり様子が違う。店舗のほとんどの面積はファンベルトや各種電球などの“部品”がメインでストックされており、アクセサリー売り場はわずか。

 以前は大きな木箱に入った(記憶の範囲だが)7M-GEやVG30といったエンジン単体や3速MTなどが売られていて、驚いたことを覚えている。

こんなのがゴトーンと置かれているのか

■Tシャツ&ジーンズでキャデラックに乗ると騒ぎになることも!

 かなり前の話だが、キャデラックドゥビルのレンタカーが安く借りられるとのことで、シルバーに真っ赤な内装のクルマを借りた。

 フリーウェイを走行している時、隣のクルマの白人夫婦と目が合うと大騒ぎしていた。Tシャツにジーンズ姿のアジア人が運転していたから、車両窃盗団かギャングかと思われたようだ(笑)。

■プリウスの評価は分かれ、選挙同様“分断状態”に

 ロサンゼルスのタクシーは圧倒的にプリウスが多い。

 地元住民の間では「タクシーで使われているから嫌だ」という声と、「タクシーに使うほどタフなんだからいい」という声のふたつに割れる“分断状態”になっている。

 ちなみに、乗用車としてのプリウス多発地域は偏りがあり、エコ志向の人が多い、サンタモニカなどで多く見かける。

トヨタ プリウス

■コロナ前からオンラインで購入する人が多い!

 前述したとおり、新車ディーラーへ行くのに足が重い人も多く、またネットショッピングですべてを賄う人も多いので、新車購入についてもオンライン商談がコロナ禍以前から盛んになってきている。

 購入した新車のデリバリーサービスもあるので、一度も店舗に足を運ばずに新車を手にすることも可能なのである。

■ガソリンスタンドにはブレーキオイルなどが豊富に揃う

 アメリカの友人と別行動ドライブしていた時のこと。彼の運転するビュイックに郊外の山岳路でパワステオイル不足の警告が出た。

 やっと見つけたスタンドに駆け込み、「あるかなぁ」と思ったら、パワステ以外にも不凍液、ミッションオイルなど油脂類が豊富に揃っていた。

 地域によるが、アメリカのスタンドは品揃えが凄い。

「アメリカの郊外のガソリンスタンド」というとこんなイメージ

【閑話休題】格差社会を肌で感じる実話

 ある夜、“五つ星”ホテルで打合せを終えた筆者は、駐車場へ向かうとそこに千鳥足の白人男性がいた。「運転大丈夫?」と聞くと、「高額納税者だから捕まらない」と不思議な返事。

 21時以降に走っているクルマのドライバーの多くは飲酒していると聞いていたが、夜遅く、パトカーが職務質問(飲酒検知などが目的)でとめるクルマの多くはズタボロのアメ車(=低所得層)。格差社会を感じるシーンである。

■テレビのニュース番組に“今日のガソリン価格”コーナーがある!

 日本のテレビと同じく、朝は各局ともニュース番組を放送している。天気予報に混じり、“ガソリン価格コーナー”のようなものがあるから驚く。

 主要地域のガソリン価格の最新情報を伝えるところはさすがである。ちなみに、交通情報はヘリコプターで上空から事故現場と事故渋滞を見せるのがお決まりとなっている。

日本での天気予報並みの感覚でガソリン価格も伝えられる

■パーキングブレーキはエマージェンシーブレーキのこと

 ある日、筆者が目的地に到着し、パーキングブレーキを入れると同乗していた地元の知人が「アメリカではエマージェンシーブレーキと呼び、坂道などでの駐車以外では使わないよ」と驚いていた。

 それ以降パーキングブレーキは使わないのだが、帰国直後の日本でも使わないでいると、日本では逆に怒られてしまう(笑)。

■意外!? 日本より譲り合いのマナーがしっかりしてる??

 アメリカには「4WAY STOP」というものがある。信号のない十字路ですべて一時停止の標識がある場合、先に十字路にきた車両から優先的に通過できる。

 ある時、片道3車線の道路の交差点の信号が停電したことがあったが、警官の誘導なしにお互い譲り合いながら通過していた。

 マナー、いいんです。

ほぼ同時に十字路にやってきた場合は「右側のクルマが優先」なんだとか

■駐車する時、一般的には頭から入れる。が、最近は変化も

 アメリカでは駐車する時、頭から入れてとめるのが習慣。

 が、最近、構造上頭から入れないとダメな駐車枠を除けば、お尻から(バックで)入り駐車するクルマが目立ってきた。

 これは腰高なSUVが増え、バックで駐車枠から出る時、後方が見えづらいことが要因。

ちなみにバックで出る時、歩行者が近くにいてもかなり勢いよく出る傾向……だ

■ノンストップで大爆走する緊急車両。突っ込んでくることも!?

 市街地を走っていると、サイレンが後方から聞こえてきた。すると、周囲の車両が“血相変えて”道路脇にクルマを停めている。

 筆者も真似すると、パトカーが日本の比ではないスピードで爆走してきた。日本と異なり、ノンストップで目的地まで爆走するので、事故に巻き込まれることも多い。やはり驚き満載の国だ。

日本でよく見るカーチェイスはヘリからの映像も多いが、確かにそばでやられたらほうからしたらたまったもんではない

■富裕層が住む地域への道路はよく整備されている

 デトロイトでの話。中心部から伸びる“I-96”という高速道路がある。郊外の白人居住地区へ向かうもので、両脇が各駅停車で真ん中の線路が快速用といった鉄道のように、真ん中には主要出口に直接出られる“エキスプレスレーン”があり富裕層向け。またロスでは真ん中車線だけが有料で、地元では“金持ちレーン”と呼ばれている。


【番外コラム】バイデン大統領誕生でクルマ社会、何が変わる!?

 次期大統領にほぼ決まっているバイデン氏は選挙中から気候変動対策に積極的に取り組むことを公言しており、BEV(純電気自動車)などの新エネルギー車の普及促進や、燃費規制の強化が行われるのではないかとされている。

 カリフォルニア州では、すでに砂漠はメガソーラーだらけだし、テスラ比率の高い富裕層地域を優先して、電力供給インフラの再整備を進めている。

 欧米、韓国ブランドに比べ、特にBEVで出遅れている日本ブランドは新政権の動きについていけないのではないか、との不安がすでに囁かれている。

テスラのモデルS。アメリカのみならず、欧州、中国など主要国での環境規制は一層厳しさを増す。日本勢は渡り合えるだろうか

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