ずばりホンダに聞いた! 二輪製品においてもカーボンニュートラル化を目指しますか?
ここはトップメーカーのホンダに聞くべきだろう。ということで問い合わせたところ「2050年カーボンニュートラルに向け、カーボンフリー製品の普及に向け取り組むことと同時に、業界Topメーカーとして、エネルギーインフラの整備、BATTシェアリング/サブスクなど、各国・地域の事情に即した働きかけをリーディングする」と回答を得た。
ホンダはバイクでもカーボンニュートラルに向けて取り組むというのが、企業としての姿勢。実際内容も伴っており、2020年から日本郵便の配達車両にBEVのベンリィ イーを納めている。まずは都内からの試みとなるが、これには大きな構想があり、将来的には郵便局への充電ステーション設置も検討されているのだ。
また、宮古島やインドネシアでもBEVのPCXでバッテリーシェアリング実験を行うなど、この数年の取り組みを見てもカーボンニュートラル実現に向けて前のめりの姿勢が明確だ。
ホンダがやるということは、当然他のバイクメーカーも無視はできないだろう。BEVに一日の長があるヤマハは、出川哲朗氏のテレビ番組でも有名になったイービーノを2015年に発売しており、この度初のカラーチェンジを実施した。
バッテリーがすぐに空になってしまうことで成立するバラエティ企画に活用されているが、そもそもイービーノは自宅から5km圏内での利用を想定しており、用途に対しては十分な航続距離を確保しているのだ。
意外にもバイクでは電動化が進んでいるという事実。特に原付クラスに特化した動きだが、これには今後の排出ガス規制に対応することが難しく、内燃機関ではクリーン化と性能のバランス維持が限界を迎えつつあるという事情がある。
一方で、原付は地方のライフラインとしても将来に渡り継続させていく必要があり、その方法を各社模索しているのだ。その答えがBEVになりつつあり、現実はカーボンニュートラル以前の事情から電動化が進んでいる。
問題は電力のカーボンニュートラル化が進むかどうかが大きい
乗用車を100%電動車にすると言っても、全てをBEV(バッテリー式)にする訳ではなく、これにはHEV(ハイブリッド)やPHEV(プラグインハイブリッド)やFCV(燃料電池)含まれており、日本国内の電動車比率はすでに世界2位、同台数は世界1位という高い水準を示している。今後の普及にはバッテリーの技術革新も必須となるが、自動車業界も着実に備えを進めている。
目標達成に向けては電力の問題が大きい。カーボンニュートラルとは、「排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせる(環境省)」カーボンオフセットの考え方を発展させ、排出量の全量を埋め合わせることで実質ゼロにする考え方。バイクではスクーターで存在感が強まっているBEVの排ガスがゼロでも、発電段階で温暖化ガスが排出されていてはカーボンニュートラル達成に近づくことはない。
さらにグリーン成長戦略では「2050年に自動車の生産、利用、廃棄を通じたCO2ゼロを目指す」と打ち出されており、自動車の生涯のどの局面でも二酸化炭素排出の実質ゼロを目指すことになった。こうなると、日本の工場に供給される電力がどこまでカーボンフリーになっているかも重要となり、再生可能エネルギーの普及がなければ自動車業界・二輪業界の努力は散ってしまうのだ。
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