選択肢の有無、多寡が業績を左右
トヨタの販売店では、日産リーフが2代目へモデルチェンジし、初代の苦労が反映された商品となっているうえ、輸入車のEVも現れるようになり、トヨタにEVの選択肢がないことに不安を覚えているとの声がある。
新車販売が好調で儲けが出ているいまのうちに、EVの営業を体験しておきたいというのが、トヨタ販売店の最前線の本音だ。彼らは、EV販売のコツを早く肌で体験したいと思っているのである。
これに対し、2年前の記者会見で当時の寺師茂樹副社長は、「国内向けのEVは、2030年までに日本最適の商品として出したい」と語っており、実際、トヨタの販売店にEV情報は噂さえ届いていないとのことだ。
国内には、マンションなど集合住宅で200Vの普通充電コンセント設置しにくいといった大きな課題がある。
しかしそれでも、競合他社にEVがあるのに、トヨタ車にない状況は、現在、5ナンバー車を中心に国内シェア50%超えを達成したトヨタに対し、5ナンバー車の選択肢の少ない日産やホンダの状況と似ている。
選択肢がない、選択肢が少ないことが、業績を左右するのである。
トヨタがいつまでもEVを市販しないうちに、市場は激変する可能性がある。国産車に限らず輸入車にEV希望の消費者を奪われてしまう可能性は少なくない。
そのとき、次にトヨタに戻ってくれる人がどれほどいるだろうか。
また、シェアリングによる共同利用が普及したら、トヨタ車を選んでくれる人があるかどうか、予断を許さない。
10年後の市場は激変すると、私は考えている。トヨタといえども、危うい時代が来るかもしれない。
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