トヨタ年間登録車数で初のシェア50%超え 盤石の裏に不安要素と死角あり!!

選択肢の有無、多寡が業績を左右

 トヨタの販売店では、日産リーフが2代目へモデルチェンジし、初代の苦労が反映された商品となっているうえ、輸入車のEVも現れるようになり、トヨタにEVの選択肢がないことに不安を覚えているとの声がある。

 新車販売が好調で儲けが出ているいまのうちに、EVの営業を体験しておきたいというのが、トヨタ販売店の最前線の本音だ。彼らは、EV販売のコツを早く肌で体験したいと思っているのである。

2020年12月に初代誕生から10周年を迎え、累計生産台数が50万台を超えた日産リーフ。メーカー、販社ともEVの販売のノウハウを蓄積しているのは大きな財産
2020年12月に初代誕生から10周年を迎え、累計生産台数が50万台を超えた日産リーフ。メーカー、販社ともEVの販売のノウハウを蓄積しているのは大きな財産

 これに対し、2年前の記者会見で当時の寺師茂樹副社長は、「国内向けのEVは、2030年までに日本最適の商品として出したい」と語っており、実際、トヨタの販売店にEV情報は噂さえ届いていないとのことだ。

 国内には、マンションなど集合住宅で200Vの普通充電コンセント設置しにくいといった大きな課題がある。

 しかしそれでも、競合他社にEVがあるのに、トヨタ車にない状況は、現在、5ナンバー車を中心に国内シェア50%超えを達成したトヨタに対し、5ナンバー車の選択肢の少ない日産やホンダの状況と似ている。

 選択肢がない、選択肢が少ないことが、業績を左右するのである。

 トヨタがいつまでもEVを市販しないうちに、市場は激変する可能性がある。国産車に限らず輸入車にEV希望の消費者を奪われてしまう可能性は少なくない。

 そのとき、次にトヨタに戻ってくれる人がどれほどいるだろうか。

 また、シェアリングによる共同利用が普及したら、トヨタ車を選んでくれる人があるかどうか、予断を許さない。

 10年後の市場は激変すると、私は考えている。トヨタといえども、危うい時代が来るかもしれない。

欧州メーカーは電動化にあたりEVの市販化に積極的。トヨタはあえてその潮流に乗っていないとも考えられるが、手遅れにならないことを願う
欧州メーカーは電動化にあたりEVの市販化に積極的。トヨタはあえてその潮流に乗っていないとも考えられるが、手遅れにならないことを願う

【画像ギャラリー】驚異的な販売力は健在!! 2020年登録車販売BEST15にトヨタ車は11台がランクイン!!

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