プレミアム路線を目指すことを公表しているマツダだが、販売面は一時期ほどの勢いはなく厳しい状態が続いている。プレミアム路線のために販売店に高級感を与え、強気の販売をしているだけのようにも見えるマツダが心配だ!
今年1月はMX-30のEVモデルを発売し、今後は直6エンジンやFRプラットフォームによるニューモデルの投入を計画しているが、マツダが勢いを取り戻すために本当に必要なのは何か?
文/御堀直嗣
写真/マツダ、トヨタ、ベストカー編集部
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初代CX‐5で新車販売に勢いを取り戻したマツダ
マツダは、2012年にSKYACTIV第1段として、SUV(スポーツ多目的車)のCX‐5を売り出し、停滞気味だった新車販売に勢いを取り戻した。
その後も、新世代商品群と呼ばれ、SKYACTIVを用いた新商品を次々に発売し、同時にまた、販売店を黒で統一感を持たせた装いに改装し、より上級感のあるブランドへの発展を求めた。
販売面でも、残価設定ローンの残価額を他社より高めの設定とし、月々の支払額を抑えた購入のしやすさを消費者へ提供した。
商品の魅力倍増と、支払いやすさという購入動機を高めつつ、来店した顧客へは長時間の試乗の機会を提供し、なおかつその間は営業担当者が同乗せず、顧客が自由に好きな場所へ運転して新車を体感できる機会を設けた。
販売店の近所をひと回りするだけでなく、顧客がよく知っている道、知っている駐車場や車庫などを気軽に試せることによって、購入後の使い勝手を具体的に確認でき、購入動機をさらに高める効果があったはずだ。
改良時にも新技術を随時投入
新世代商品群も、2017年からCX‐5が2代目へモデルチェンジしはじめ、また、モデルチェンジを待たずに商品改良といって新たな技術や機能が実用化されると、販売されている既存の車種へも随時展開し、磨いていくことも行っている。
これは、一括企画といって、新車開発の際に機能開発の進捗も併せて新車企画に織り込んでおくことで、途中からも搭載可能にするという独自の開発手法の成果である。
そのほか、車名も世界統一の数字で表す表記とし、世界共通の価値を提供しようとしている。
それらが功を奏し、2018年までは対前年比で100%超えの新車販売成績を記録してきた。だが、2019年から昨年にかけては対前年比を割る販売台数となっている。
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