日産が海外で展開する高級車チャンネル「INFINITI」の新型クーペSUV「QX55」が2021年2月16日から現地で発売開始となった。
2020年11月にデジタルワールドプレミアされていたQX55は、クロスオーバーSUVのQX50をベースとしたクーペルックのSUVで、今後のインフィニティの中核を担う、重要なモデルだ。
「カッコいい!」「日本でも売れそう!」と話題になったQX55だが、残念ながら、インフィニティは本社機能が横浜の日産グローバル本社にあるにもかかわらず、日本ではインフィニティブランドを展開していないため、今のところQX55を日本で手に入れることは難しい。
インフィニティには、他にも日本導入が熱望されているクルマが多々あるだけに、日本展開がないことは、非常にもったいなく感じる。
今回はQX55についてご紹介するとともに、日本でも売れそうなインフィニティブランドのクルマも併せてご紹介、そして、なぜインフィニティは日本で展開しないのかについても、迫りたいと思う。
文/吉川賢一 写真/日産自動車
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■ダイナミックなエクステリアが印象的なQX55
QX55は、インフィニティブランドのなかで成功したモデルのひとつである、高性能クーペSUV「QX70(インフィニティFX)」の後継車的な位置付けで登場したモデルだ。
全体的なプロポーションは、BMWのX5やポルシェカイエンなどにも影響を与えた、とされている「初代FX」のマッシブなデザインテイストを受け継ぎ、ダイナミックで存在感のあるエクステリアが印象的だ。
フロントグリルやエアインテークの模様は、日本の折り紙に着想を得てデザインしたそう。ルーフラインはベースとしたQX50のルーフラインとは全く異なり、クーペSUVらしさがあふれている。
20インチの大径タイヤホイールが標準採用となっていることで、キャビンのコンパクトさ際立っている。個人的には、これほどの大径タイヤは好きにはなれないが、もはやこの手のラグジュアリーSUVに20インチは珍しくなくなってきた。
テールランプは、まるでピアノの鍵盤のようなデザインが特徴的で、QX55のいいアイコンとなっている。そういえば、先日発表されたホンダ新型ヴェゼルでも同じようなテールランプデザインになっていた。
ちなみにこのテールランプは、1つのハウジングに45個のLEDを組み合わせているそう。パワーリフトゲートも備えられ、利便性もしっかりと確保されている。
上段8インチ、下段7インチの高解像度スクリーンの「デュアルセンターディスプレイ」は、日本のV37スカイラインに搭載されているものと(つまりインフィニティQ50)と同じだ。
また、ワイヤレスでApple CarPlayと連携できるタッチインフォテインメントシステムでもあり、複数のUSB入力口も備えている。カラーヘッドディスプレイも備え、コンサート会場のような音響が体験できる、16スピーカーのBoseオーディオシステムも備えている。
パワートレインは、QX50と同じく、4気筒可変圧縮ターボエンジン(最大出力268ps)を搭載。マニュアルシフトモード付の無段変速機と、インテリジェント全輪駆動システムの組み合わせだ。このパワートレインは、日本には未導入。
日産にはこのパワートレインを搭載できるサイズのクルマ(ムラーノやティアナといったDプラットフォームのクルマ)が現時点ないのだ。非常に良いパワートレインなのに、日本で乗れないのが悔やまれる。
だが、QX55のパワートレインとしては、すこし物足りない。QX70の血統を受け継ぐクルマとしてならば、さらにハイパワーなエンジン、例えば、Q50 RED SPORT(日本だとスカイライン400R)に搭載されている400ps級のV6ツインターボもあってほしかったところ。ややがっかりした内容だった。
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