■岡本幸一郎の“絶対乗っとけ”3台
今や世界標準になった、2L 4気筒ターボを積むなかで、キラッと光る“何か”を持ったこの3台を紹介。
まずは量産車で世界最強の、2Lで421psものパワーを引き出したAMGのM139だ。なかでも最も軽量なA45 Sのドライブフィールは超刺激的!
下から上まで「全域パワーバンド」。ビンビンにレスポンスして、踏めばドカンと加速して、とにかく速いのなんの!
運転するだけで鼻血が出そうな強烈なエンジンだ。こんなにすごいエンジンは今後そうそう出てこないんじゃないかと思う。
日本にも凄いのはいる。タイプRは320psで1400kgを切る軽さ。
それを今や貴重な6速MTで楽しめるのもポイントで、俊敏なアクセルレスポンスを最高のシフトフィールとともに味わうことができる。
しかもそれだけじゃない。量産FF車最速を目指して、前2輪だけで320psをロスなく路面に伝えるため、足回りと空力にもハンパなく力が入っている。
究極のFF車として開発された、その醍醐味を噛み締めながら走れるってすごくない?
スバルが世界に誇る水平対向エンジンで、名機EJ20のあとをうけて高性能モデルに搭載されるFA20ターボ。なかでも乗るべきはWRX S4。
300psの強力なエンジンはもちろん、後輪よりに駆動力を配分するVTD-AWDにより回頭性も抜群にイイ!
そんな高いパフォーマンスを2ペダルで手軽に味わえるところもイイ! しかも内容のわりに価格が安かった!
もちろん次期モデルも気になるけど、現行モデルが好きな人は程度のいい中古を……。
【番外コラム】島崎七生人もひと言! 超ユニーク2気筒エンジンフィアット500ツインエアに「いま絶対に乗っておきたい」理由
国産/輸入車含め、日本で市販されているすべての量産車中、気がつけば唯一の2気筒エンジンなのが、フィアット500(とパンダ)に搭載される875ccのツインエア。
2011年の発売からちょうど10年経つ。
当然ながら軽量、コンパクト、低燃費、低排出ガスを狙いに開発されたエンジンだったが、実は2気筒のコンパクトさを活かし、電気モーターと組み合わせたハイブリッドシステムも想定されていた。
ところで今の市販エンジンのなかでも貴重な(!)この2気筒ツインエアだが、ある意味、フェラーリの12気筒よりも存在感がある。
というのも、とにかくツインエアでしか味わえないドライバビリティが、これでもかと体験できるからだ。
自分で乗っているのでハッキリと書くと、パタパタパタと走り始め、そこからターボのチカラでバビューン! と加速するサマは、まぁ何とも粗々しいというか、素朴というか。
横に家内が初めて乗った時、「このクルマ壊れてない?」と訊いてきたほど。
音にしろ振動にしろドライバビリティにしろ、実にプリミティブな印象で、日本車の設計基準だったら到底クリアしないだろう。
乗り始めて5年と少し、1万5685km走行時にやってきた中古車だったので、そこまでの使用環境が不明。
なので組み合わせられる自動クラッチのメカユニットが音を上げ、すでにまるごと交換したし、駆動伝達系のどこかからと思われる共振による唸り音はどうやら直りそうもない。
未完の大器なのかどうかよくわからないが、とりあえずエンジン本体の不具合は今のところないといったところ。
もちろん個体差の部分は大きい。チンクの名誉のために付け加えておけば、不具合、基礎疾患のないチンクなら、もっと軽やかな走りが楽しめる。
シフトプログラムが自分の運転用に学習を完了し、メカ的ストレスもなければスムーズに走らせることができ、実用燃費も上げられるはずだ。
昨今はEVの試乗の機会も増え、新幹線N700系のような超スムーズな加速の素晴らしさ(羨ましさ!)も実感する。
あるPHEVパワートレイン開発担当者の話では「モーターはICE(内燃機関)の数倍、緻密なパワーコントロールが可能」とも。
でも、エンジンで走っている時の音や振動を肌感覚で実感しながらクルマを走らせている時の醍醐味は“効果音”ではなく本物でなければ味わえない。
●フィアット500ツインエアPOP 主要諸元
・全長×全幅×全高:3570×1625×1515mm
・ホイールベース:2300mm
・車両重量:1010kg
・エンジン:直列2気筒8バルブターボ
・総排気量:875cc
・ボア×ストローク:80.5×86.0mm
・最高出力:85ps/5500rpm
・最大トルク:14.8kgm/1900rpm
・トランスミッション:5費:24.0km/L
・価格:241万円
コメント
コメントの使い方