■東南アジア トヨタ車、危うし!?中華系BYDのMPV型EVタクシーが増殖中
まずはタイ。バンコク市内のタクシーはほぼカローラアルティスとなっている。現行モデルはHEVがメインなのだが、タクシー向けのリモというグレードは1・6Lガソリンエンジン車となっている。
このまま、カローラの天下が続くと思ったが、市内では中華系BYDのEVタクシー(MPVタイプ)が走り出している。上海汽車が現地生産も行っているので、タイ政府、そして中国の出方次第ではBYDも含め、タクシー車両の日本車排除も絵空事ではなさそうだ。
ベトナムは地域によってバラつきがあるようだが、ホーチミン市ではトヨタイノーバというミニバンがタクシーとして走っている。東南アジアのほかの国でもそうだが、イノーバは社用車として運転手付きで現地駐在員の移動用に使われることが多く、見かけによらずステイタスが高い。“脱セダン”とはなっているが、電動化という部分ではまだこれからで、未知数となっている。
インドネシアはもともとトヨタリモというセダン型タクシーがほとんど。しかし、ライドシェア車ではMPVが多く、荷室が広く便利というのが人気の理由。その後トヨタはトランスムーバーというMPV型タクシー専用車を投入した。最近は最大手のタクシー会社がBYD製EVタクシー(MPV型)を導入して走らせている。
東南アジア、全体的には、トヨタに対抗する側からすれば、車両電動化は“脱日本車”を加速させる好機と捉えているようだ。携わる日本人からすれば不安が大いに残る。
【画像ギャラリー】ニューヨーク、アジア、東南アジアで走るタクシーはコレだ
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