徹底したデザイン哲学と堅実な作りで国産メーカーの一角として確固たる地位を築き上げているマツダ。
…と、いま現在のイメージならこの説明で事足りるのだが、ここまで至る道中には迷走を極めた時期もあった。その代表格とも言えるのが、今は遠きバブル期に展開された「5チャンネル体制」であり、そのなかで産み落とされた「クロノスの悲劇」なのだ。
自動車評論家 清水草一氏が「マツダの闇」を紐解く。
※本稿は2021年3月のものです
文/清水 草一 写真/MAZDA
初出:『ベストカー』 2021年4月26日号
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■マツダの闇を知ってるかい?
バブル期の1991年、マツダが発足させた野心的な5チャンネル体制により、多くの忘れ去られそうなクルマたちが誕生した。
なかでもクロノス6兄弟は、現在でもその詳細が不明なほど混乱しているので、この機会に整理しておこうじゃないか!
クロノス6兄弟は、カペラの後継たるクロノスを起点に、ユーノス500、オートザムクレフ、フォードテルスターの4モデルがセダン。
アンフィニMS-6と、フォードテルスターTX5の2モデルが5ドアハッチバック、MX-6が2ドアクーペでありました。
まさにタニシ並みの大繁殖。しかもこの時点ですでに7兄弟!
さらに、ペルソナの後継モデル、4ドアハードトップのアンフィニMS-8も入れると、8兄弟になってしまう。
量産車として世界に誇るべき世界珍記録……。
『おそ松クン』の六つ子にちなんでか、「クロノス6兄弟」と呼ばれてきたような気がするのだが、実は兄弟の数も確定していなかったとは! ガーン!
いまだマツダの闇は晴れていない。
これ、クロノス8兄弟でいいんでしょうか?
マツダ本社に聞きたいけど、マツダ本社が一番忘れたい気もするし、誰か教えてけろ。
●クロノスの兄弟車・派生モデルたち
・MX-6|マツダ店向けの2ドアクーペ
・アンフィニMS-6|アンフィニ店向けの5ドアハッチバック
・アンフィニMS-8|アンフィニ店向けの4ドアハードトップ
・ユーノス500|ユーノス店向けの4ドアセダン
・オートザム クレフ|オートザム店向けの4ドアセダン
・フォード テルスター|オートラマ店向けのクロノス
・フォード テルスターTX5|オートラマ店向けのMS-6
・フォード プローブ|オートラマ店向けの2ドアクーペ
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