横綱トヨタは何がすごいのか?? 国内一強を突き進むトヨタのガチな実力と進化の理由

■テーマ02:ヤリスがライバルに対して優れている点は?

 フィットとノートに対するヤリスのアドバンテージは主として4つあると思う。

 まず燃費。ヤリスの実用燃費、普通のエンジンもハイブリッドも数字が信じられないほどいい! エンジンモデルですら平均速度20km/hという東京の渋滞路を走って15km/Lに届く! 流れのいい道であれば20km/Lだって見えてくる。

 ハイブリッドなんて条件悪くて25km/L。普通に流れていたら30km/Lだって当たり前の燃費です。

ヤリスの実燃費、魅力増大! ハイブリッド車は言うに及ばず、ガソリン車でも流れのいい道なら実燃費20km/Lも。凄い!
ヤリスの実燃費、魅力増大! ハイブリッド車は言うに及ばず、ガソリン車でも流れのいい道なら実燃費20km/Lも。凄い!

 フィットのハイブリッドやノートe-POWERはヤリスにまったく届かない。大雑把なイメージだと20%減といったあたり。

 もちろん30km/Lと24km/Lじゃ大差ないという考え方もできる。実際そのとおりだと私も思う。4つのアドバンテージのなかじゃ4番目かもしれません。

 だったら3番目はナニよ、と聞かれたら、価格でしょう。e-POWERしかないノート、「見積書作ってもらったら300万円を超えちゃった」。

ノートe-POWER、先代より質感が高くなり実燃費もいいが、なにせ価格が……
ノートe-POWER、先代より質感が高くなり実燃費もいいが、なにせ価格が……

 ヤリスも安くないけれど、ノートより30万円くらい割安感がある。同じくフィットもヤリスより高いイメージ。実際、ヤリスは液晶が標準装備されているため、高価なナビなど付けなくてよい。

 2番目にデザインを挙げておく。フィットはオウンゴール。先代チーフデザイナーの作なのだけれど、いかんともしがたい。ノートは悪くないものの、シルエットがルノー。万人受けするヤリスより少しばかりお客を絞ってる。

 ということで最大のアドバンテージがブランドイメージだと思う。ここにきてモリゾウさんの信頼感は絶大。今までのトヨタといえば安心感だけだったけれど、モリゾウさんが社長になって以後、優れたクルマを作っているイメージまで出てきた。

最後尾がフィット。実用性は悪くないがヤリスには及ばない……と国沢氏
最後尾がフィット。実用性は悪くないがヤリスには及ばない……と国沢氏

 WRC参戦も地盤を固めていると思う。実用性からすればフィットのほうが圧倒的に優れているけど、今後もヤリス人気は続くんじゃなかろうか。

●結論…実燃費・コスパのよさ・デザイン・ブランドイメージ。この4つが優れている

■テーマ03:TNGA同士、ヤリスとヤリスクロスの違いは?

 先日ヤリスクロスに3日間で1700kmほど乗ってみた。もういろんなことで驚きましたね!

 一番の「凄いね!」はイッキに650km乗って疲れなかったこと。その理由として、まず足回り。乗り心地は決してホメられたモンじゃない。けれど大きな入力あっても挙動の乱れにならないし、まっすぐ走る。

ハンドリングも上々のヤリスクロス
ハンドリングも上々のヤリスクロス
走り味も楽しめるコンパクト、ヤリス
走り味も楽しめるコンパクト、ヤリス

 おそらく欧州仕様のヤリスクロスに近いんだと思う。一方ヤリスといえば、欧州仕様よりトレッドを小さくするなど幅狭のボディ。ヤリスクロスのほうが欧州車っぽい。

 動力性能は車重の軽いヤリスのほうがいいと思いがち。今回乗ったクロスはパワーの低い1.5LのNAだったけれど、不満を感じたことなどなかった。

 もう少し詳しく書くと、高速道路の追い越しなどで加速が欲しいとなったら、ヤリスもヤリスクロスもアクセル全開にしないとダメ。巡航時、燃費を稼ぐため低い回転数にしているからだ。アクセル全開した時の加速感は大差なし。クルマについちゃ多少詳しいつもりの私でも、同じような印象。

 ハンドリングだけれど、限界まで攻めるとヤリスクロスのほうがマイルドかもしれない。トレッドを狭くした日本仕様のヤリス、少しばかりトリッキーになってしまった気がする。

 ワイドトレッドのヤリスクロスはマイルドな挙動のため、急転舵した時の安定性に優れているように思う。とはいえ一般道を攻めたくらいじゃ大差なし。クルマ談義の時に出てくる「誇張した内容大会」で語れるレベルかと。

 購入に迷ったらヤリスクロスをすすめておく。

「迷ったら推しはヤリスクロス!」…と国沢氏。クロスの乗り味を推す
「迷ったら推しはヤリスクロス!」…と国沢氏。クロスの乗り味を推す

●結論…幅狭ボディのヤリスに対し、欧州仕様に近いヤリスクロスは走りに安定感が!

次ページは : ■テーマ04:GRスープラとGRヤリスの走りを再評価

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