周囲の危険を素早く察知するための「視野角」も重要!
動体視力とともに運転技術に関わるのが、「視野角」だ。こちらの視力は、目を動かさずに見える範囲のことだ。クルマの速度が速くなるほど、運転者の視野角は狭くなり、遠くを注視するようになるため、近くは見えにくくなる。したがって、速度を出せば出すほど、近くから飛び出してくる歩行者や自転車などを見落としやすくなる。
この視野角も動体視力同様に加齢による衰えは顕著になる。具体的には、一般成人で約200°と言われているが、加齢とともに狭くなり、高齢者では約160°まで狭くなる。また、年とともに実際には見えていても対象物を脳が認識しづらくなると言われている。
動体視力の良し悪しを決めるのは「目の筋肉」
動体視力の良し悪しは、目の筋肉の質によって左右される。動体視力に関係する筋肉には、レンズ(水晶体)のピントの調節をする毛様体筋、眼球の動きを司る6個の外眼筋(上直筋、下直筋、外直筋、内直筋、上斜筋、下斜筋)がある。これらの筋肉の衰えはトレーニングである程度は克服できる。
つまり、動体視力はトレーニングを重ねることで鍛えられる能力ということになる。年だからといってあきらめる必要はないのだ!
実践! 動体視力を鍛える「目の筋トレ」
では、ここからは目の筋肉を鍛える「目の筋トレ」を解説していこう。いずれも2~3日で効果を感じられるものではないが、定期的に行えば動体視力の衰えのスピードを遅らせることができる。
(1)腕をまっすぐ前に伸ばし、親指を立てる
(2)親指の先を見たら、遠くの物にゆっくり視線を移し、再び指先に視線を戻す。これを10往復繰り返す
(3)次に、親指の先を見たまま、親指をゆっくり左へ動かし、それとともに眼球も左へ。親指を再び顔の前に戻し、今度は右に親指と眼球を動かす。これを10往復繰り返す。顔は動かさず眼球だけをゆっくり動かすようにしよう
目の筋トレは生活の中でも簡単にできる。具体的には、通勤の電車から外を見て、すれ違う列車の車両数を数える、遠くの看板や標識に書かれているものや駅名を読み取る、電車の中の人の動きを目で追うなどをしてみよう。
また、対向車線のクルマのナンバーを読み取る、近づいてくる標識を読み取るなども効果的だ。ただし、車内での目の筋トレは助手席で。運転中は危険なので行わないようにしよう。
参考:「1日5分でアタマとココロがすっきりする眼球運動」 松島雅美著 セブン&アイ出版
【画像ギャラリー】目をグルグルするだけの「目の筋トレ」で動体視力を鍛えよう
反射神経も同時に鍛えれば怖いものなし!
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