フェラーリの主力モデルである2シーターミドシップスポーツカーに、新たなバリエーションが加わった。それが296GTBだ。
最大の特徴は、フェラーリとしてディーノ以来のV6搭載のロードカーであり、フェラーリの名を冠するモデルとしては、史上初となるエポックメイキングな存在だ。また、環境性能向上のため、PHVとなるのも目玉のひとつである。
日本上陸を果たした電動化時代の最新フェラーリの特徴をお伝えしよう。
文/大音 安弘、写真/フェラーリジャパン
【画像ギャラリー】V6とPHVの融合が生む楽しさを!フェラーリ296GTB
■史上初となるV6ロードカー
フェラーリジャパンは、2021年10月14日、最新モデル「フェラーリ296GTB」を日本初披露した。価格は、3678万円となる。
モータースポーツシーンでは、長年V6エンジンを活用してきたフェラーリだが、ロードカーとしては、296GTBが初となる。フェラーリが世に送り出したV6ミドシップスポーツといえば、60年代に登場した「ディーノ206/246」シリーズが有名だが、これらはフェラーリの名を名乗らないフェラーリモデルであった。
その心臓となるV6エンジン本来の目的は、F2レース参戦マシン向けであった。そのホモロゲーションの獲得ために、フェラーリとフィアットの両社のロードカーに搭載された。当時のフェラーリの主力であったV12エンジン車と区別するために、V6モデルは、単に「ディーノ」と名乗った経緯がある。そのため、事実上296GTBは史上初のV6ロードカーとなるのだ。
■V6ターボ+モーターのPHVパワートレーン
最大のトピックである新パワートレーンは、完全新設計となる2.9LのV6ターボエンジンと電気モーターを組み合わせたもの。トランスミッションには、8速F1 DCTを備える。
エンジンとモーターを合わせたシステム最高出力は、830cv/8000rpmを発揮。最大トルクも740Nm/6250rpmと強烈だ。そのパフォーマンスは、0-100km/h加速2.9秒。最高速度は330km/hを誇る。
電動化システムに注目すると、後輪駆動のみのPHVは、フェラーリ初となる。モーター単体でも167cv/315Nmを発揮し、もちろん電気のみの走行も可能。フル充電状態の航続距離は25kmとし、最高速度は135km/hを実現しているので、日常のEV走行のみで賄うことも可能だ。
ただ、フェラーリらしいのが、ほかのPHVと異なり、デフォルトを「ハイブリッド」モードとしており、エンジンと電気モーターを巧みに使い分けること。また電気モーターの性能をいつでもフル活用できる「パフォーマンス」モードも用意する。
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