スポーツカーが売れないと言われて久しい。先日もNSXが2022年に生産終了するという悲報が…。
とはいえ、GT-R、スープラ、フェアレディZなど、アイコン的な存在として君臨するクルマもある。そのいっぽう、華々しいデビューをしたにもかかわらず、あっさりと姿を消してしまったクルマも数多い。今回は、そんな残念な結果に終わってしまった不遇なスポーツカーたちを思い起こしてみたい。
文/藤原鉄二、写真/スバル、トヨタ、ホンダ、マツダ、FavCars.com
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コスパの高いライトウェイトスポーツだったが…「トヨタ・MR-S」(1999年~2007年)
1999年10月、MR2の後継モデルとして世に送り出されたのが「MR-S」。本格的ライトウェイトスポーツとして、期待を一身に背負ってのデビューとなった。
発売直後の販売台数は好調だったものの、次第に低迷。途中、シーケンシャルマニュアルトランスミッション搭載車や、装備を充実させたVエディションなども販売されたものの、テコ入れは叶わず、2007年7月末に生産終了となってしまった。最終的な総生産台数は7万7840台と、想定を下回る販売台数に終わった。
低迷の原因は一体何だったのか? おそらく第一にあげられるのは搭載エンジンだろう。ミドシップレイアウトはMR2のスタイルを継承したものの、1.8リッター直列4気筒DOHCエンジンとサイズダウン。また、NAのMR2の最高出力が200ps/7000rpmだったのに対し、MR-Sは140ps/6400rpm、ターボエンジンは設定なし。
ただし、徹底した軽量化によりパワーダウンは相殺されるかと思われたが、MR2の後継として期待感を持っていた人には若干の物足りなさを感じさせてしまったのは事実だろう。
ロングホイールベースかつ、極端とも言えるショートオーバーハングというスタイリングも一部では不評で、時には、「チョロQ」と揶揄されることも…。ただし、そのおかげで加速性能と運動性能は向上。ライトウェイトスポーツカー然としたクルマに仕上げられていた。
手頃な価格も魅力で、標準グレードの車両本体価格は188万円。先代のMR2と比較して非常にリーズナブルな価格設定だった。
中古車市場では、100万円前後のものが多く出回っている。セカンドカーとしてピュアスポーツに乗りたいという人はMR-Sを、という選択肢もありかもしれない。
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