4WDだけじゃない!! ハイテク満載のGTO
GTOは、ワイド&ローのZラインと呼ばれるダイナミックなボディに、曲面ガラスを使ったカプセル状のキャビンなど、エクステリアもインテリアも斬新なフォルムを採用。加えて、「スーパー4WDスポーツカー」に相応しい、当時のありとあらゆる先進技術が盛り込こまれたスポーツカーでした。
・高性能ツインターボエンジン
排気量3.0LのV型6気筒DOHC 24バルブエンジンにツインターボを搭載。最高出力は、出力自主規制値の280PS/6000rpm、最大トルクは国産車でダントツのトップ42.5kgm/4500rpmを発揮
・フルタイム4WD(4輪駆動)+4WS(4輪操舵)
センターデフ式4WDに、車速50km/h以上で後輪を前輪と同じように操舵する4WSを使って、高速での旋回性能を向上
・ECS(電子制御サスペンション)
走行条件に応じて、フロントおよびリアの4本のショックアブソーバーの減衰力を3段階に制御
・ベンチレーテッドディスク
フロントのブレーキは、対向4ピストンのアルミキャリパーに冷却性能に優れた大容量ベンチレーテッドディスク、リアもベンチレーテッドディスクを装着
・アクティブ・エアロシステム
車速80km/h以上で前後スポイラーを可変化させ、揚力とダウンフォースを制御
・アクティブ・エキゾーストシステム
スイッチによってマフラーの流入経路を変更し、排気音をノーマルモードとサイレントモードの2種に切替え
「スポーツカーらしくない」と評価されてしまった
最強のトルクを発生するGTOの動力性能は凄まじく、最高速度は260km/hに達し、0→400m加速は13.3秒と、同クラスのライバルであるNSXやスカインラインGT-Rに対して同等以上の性能を誇りました。ところが、GTOはあまり評価されず、センセーショナルに登場した初代NSXやスカイラインGT-Rの陰に埋もれてしまいました。
プラットフォームがスポーツカー専用でなくセダンのディアマンテがベースであること、V6エンジンがスポーツカーに不向きの横置き搭載であること、4WDのおかげで車重はライバルより150kg以上重い1700kg超であることなどから、「スポーツカーらしくない」と評価されてしまったことが大きな要因です。
国内では評価されなかったGTOですが、海外では高い評価を受けました。1.7トンを超える車重をものともしない走りや、高い低中速トルクによる実用域での扱いやすさ、4WD+4WSによる高速走行時の安定性などが、北米の大型高性能スポーツカーマーケットで高く評価され、モータートレンド誌の1991年「インポート・カーオブザイヤー」にも輝いています。GTOはアメリカンスポーツカーだった、といえるでしょう。
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NSXとスカイラインGT-Rが、日本のスポーツカーとして圧倒的な支持を受け、後継車モデルが続いてきたのとは対照的に、2001年に1代限りで生産を終了したGTO。日本ではあまり評価をされなかったモデルですが、当時考えられるすべての先進技術を搭載した、バブルが生んだ攻撃的なアメリカンスポーツカー、それが三菱「GTO」でした。
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