世界的ブームも日本はミニバン強し!? SUVの意外な弱点とコア層が敬遠する訳

■こんなにあった! SUVの弱点

 しかし、クルマ好きに言わせれば、SUVの弱点はまだまだある。

SUVの弱点その1「重い!」。クルマは軽くすれば動きが良くなる!
SUVの弱点その1「重い!」。クルマは軽くすれば動きが良くなる!

弱点その1/重い!
 SUVは車両重量がかさむ。例えばヤリスとヤリスクロスを比べると、SUVのヤリスクロスのほうが約100kg重い。フィット対ヴェゼルだとその差は約150kgになる。
 重さは、軽快なハンドリングの最大の敵。逆に軽さは最大の武器。軽量化はクルマの性能アップの最重要要素であり、本気で追求しようと思ったら一番お金がかかる部分でもある。その「軽さ」をあえて捨てているSUVは、クルマ好きにとって、問題外ということになる。

弱点その2/重心が高い!
 SUVは最低地上高が高く、全高も高い。ヤリス対ヤリスクロスで比較すると、1500mm対1590mm。その差は90mmだ。ヤリスクロスはSUVとしては全高が低い部類で、RAV4は1685mm。SUVは、通常の乗用車より150mmくらい全高が高い。全高が高ければ、当然重心も高くなる。重心が高くなれば操縦性は悪化する。
 近年のSUVは、重心の高さをほとんど感じさせないモデルが増えているが、それでも「SUVとしては」というただし書きが必要だ。わざわざ重心が高いクルマを買うなんて、クルマ好きには考えられない。

弱点その3/空気抵抗が大きい!
 SUVは全高が高いので、前面投影面積もデカい。つまりそれだけ空気抵抗も大きい。ミニバンタイプよりは有利だが、セダンやハッチバックに比べると明らかに不利だ。
 え、空気抵抗が大きいと何か悪いことがあるのかって? そりゃあるさ! 最高速が伸びないじゃないか! 最高速をいつどこで出すのかと言われそうだが、クルマ好きは常に脳内で愛車の可能性を考えるもの。「出そうと思えば〇〇〇km/h出る!」と思うのがウレシイのだ。同じパワーなら、セダンやハッチバックのほうが、SUVより絶対的に最高速は伸びる。その可能性をむざむざ捨てるなんて考えられない!

弱点その4/燃費が悪い!
 重くて空気抵抗の大きいSUVは、当然燃費も悪化する。ヤリスとヤリスクロスを比較すると、WLTC燃費は36.0km/L対30.8km/Lでヤリスの圧勝だ。
 え、クルマ好きは燃費も好きなのかって? もちろん! 低燃費が出るとものすごい達成感がある。最高速は机上の空論だけど、燃費は現実的に叩き出せる栄光のレコード。すさまじく重要だ。わざわざ燃費に劣るSUVを買うなんて考えられん!

弱点その5/ルーフの掃除が大変!
 SUVは全高が高いので、踏み台に乗らないとルーフの掃除ができないし、ルーフ面も見えない。ルーフまでピカピカにして、それを眺めて悦に入りたいクルマ好きとしては、なんだかちょっと物足りない。それができるのは全高1500mmくらいまで!

■メリットをどう捉えるか?

 これら5つの理由により、これまで53台のクルマを買ってきた筆者だが、SUVは1台も買ったことがない。実を言えば、魅力的な新型SUVを見て、「いいなぁ」「欲しいなぁ」と思うことはしょっちゅうある。でも実際に買うところまでは行かない。それは、SUVのメリットよりも、デメリットが大きいと感じるからなのだ!

 では、クルマ好きにとってのSUVのメリットとは何か。

SUV全体の総数が増えていくにつれ、さまざまなタイプのモデルが誕生。現行型RAV4はオフロードもオンロードもどちらもよく似合う!
SUV全体の総数が増えていくにつれ、さまざまなタイプのモデルが誕生。現行型RAV4はオフロードもオンロードもどちらもよく似合う!

「世界中のメーカーが最も力を入れて開発しているので、デザイン的にイケててカッコいいモデルが多い」
「SUVというだけで、時流に乗っていてファッショナブルに見える」
「SUVに乗っていると、気取らないアクティブな人間に見てもらえる気がする」
「見晴らしがよくて守られ感も高いので、女性ウケがいい(真実)」

 こんなところです。ガチのクルマ好きに言わせれば、「この軟弱モノ!」と喝を入れたくなるようなものが並ぶ。いや、世間的にSUVがウケるのはよくわかる。やっぱSUVって、なんとなくカッコいいもんね!

 でも、その「なんとなく」に流れられないのが、真性のクルマ好き。車庫に余裕があったら、1台くらい欲しいなぁと思いますが……。

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