売れるにはワケがある! 会心の一撃を放ったクルマ5選

Xスポーツを楽しむ若者の心を鷲掴み! 初代エクストレイル(2000年~2007年)

売れるにはワケがある! 会心の一撃を放ったクルマ5選
オンでもオフでもOKのスタイリッシュな外観も若者から支持を受けた理由のひとつ。2001年から2010年までの10年間、SUV型乗用車の国内販売台数1位の座をキープした

 今や日産を代表する超人気モデルとして君臨し続けているエクストレイル。デビューは2000年。「4人が快適で楽しい、200万円の使える四駆」というキャッチフレーズとともに登場したとエクストレイルは、あっという間に若者のハートを掴んだ。 

 当時、全長4510×全幅1765×全高1675mmというコンパクトなサイズのSUVというのも新鮮だったが、会心の一撃は何と言っても、185~239万円という格安な価格設定。このリーズナブルさは衝撃だった。

 そして、会心の一撃第2弾は、「ウォッシャブルダブルラゲッジ」。これは、2段構造となっているラゲッジスペースのラゲッジボードを取り外すことができ、さらに丸洗いができてしまう装備だ。これで汚れ物も気にせず積むことが可能に。

 シートにも撥水加工が施されており、サーフィンやスノーボードを楽しんだ後、濡れたままで乗車しても問題なしと、とにかく、ありそうでなかった、かゆいところに手が届くような便利な装備が満載されていた。

 コンセプトはタフギアだったものの、エクステリアデザインは、既存の無骨なクロカンのイメージとは一線を画する、アーバンスタイル。アウトドアフィールドで使いたいけれど、クロカンは少々ヘビーすぎるという若者のたちの心を惹きつけた。

 さらに、スノーボードなどのXスポーツの人気が盛り上がりつつあったタイミングでの登場ということで、「X-TRAIL JAM(エクス-トレイル・ジャム)」を特別協賛。このPR効果は抜群で、クルマに興味がない若者でもエクストレイルだけは知っているというほどの人気車に上り詰めた。

“コンパクトカーは狭い”という概念を覆す! 初代フィット(2001年~2007年)

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クリーン性能の高さ、低燃費はもちろんのこと、クルマ全体で90%以上のリサイクル可能率を達成するなど、エコカーの最先端を行くクルマだった

 2001年6月にロゴの後継車としてデビューしたフィット。2002年には、1カ月平均の新車登録台数が2万台超というビッグセールスを記録し、カローラが33年間に渡り守り続けた新車販売台数1位の座を奪うという快挙を成し遂げた。また、「2001-2002日本カー・オブ・ザ・イヤー」と「2002RJCカー・オブ・ザ・イヤー」をダブル受賞を果たした。

 そして、会心の一撃と言えるのが、フィットでの採用が初となった「センタータンクレイアウト」だろう。薄型の燃料タンクを中央に設置することで、荷室の床低化が容易となり、コンパクトカーとは思えぬ広い室内スペースを確保することに成功した。

 この技術の他にも、エンジン出力のロスを軽減することでリッターあたり23kmという超低燃費を実現した新世代1.3リッター4気筒「i-DSI」エンジンも大ヒットの要因。当時ハイブリッドがまだ一般的ではないなか、この燃費は驚異的だった。

 さらに、軽自動車と同等の106万5000円~132万5000円(税抜き)という車両本体価格の安さも話題となった。

 新型投入以来、低調気味のフィットだが、初代は会心の一撃尽くしの名車だった。

エコとパワーを両立させ、谷から這い上がった! 2代目プリウス(2003年~2011年)

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2代目は外観も大変身。初代がセミノッチバック4ドアセダンだったのに対し、2代目は5ドアハッチバックへと変更された

 「ハイブリッドカーと言えば?」と問われれば、多くの人がプリウスと答えるであろう。誕生は1997年12月。低燃費と排出ガス低減を実現するトヨタハイブリッドシステム(THS)を搭載する、世界初の量産ハイブリッドカーとして、世界中から注目を集めた。また、売れれば売れるほど赤字になると噂されたほどの215万円という低価格設定も話題となった。

 しかし、セールス的には伸び悩み、年間の販売台数はモデル末期には1万台を割り込んでしまっていた……。

 そして2003年9月、フルモデルチェンジが発表され2代目が誕生。これが空前の大ヒットを記録! ハイブリッド=プリウスというイメージを定着させた。 

 では、何が会心の一撃となったのだろうか? 間違いなく、THSの進化版である、新世代トヨタハイブリッドシステム「THSⅡ」だろう。これにより10・15モード燃費が初代の28km/Lから世界トップレベルの35.5km/に向上し、さらにシステム最高出力は101psから111psに、最大トルクは42.9kgmから48.7kgmにアップした。エコとパワーを両立させることで、より幅広いユーザーからの支持を得ることに成功したのだ。

 他にも駐車時のハンドル操作を自動化できるインテリジェントパーキングアシストや、横滑り防止機構と電動パワーステアリングを統合制御する「S-VSC」など、世界初の先進技術を搭載するなど、目覚ましい進化を見せた。

 にもかかわらず、価格は215万円と据え置き!! この割安感も販売台数を大幅に押し上げた原動力となったことは間違いないだろう。

 初代プリウスの販売台数が約6年で約12万台だったのに対し、2代目は約119万台と、約10倍もの販売台数を記録。好調ぶりは2009年5月から発売開始となった3代目も同様で、2015年11月までに約227万台を売り上げる大ヒットモデルとなった。

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