新型はEVになる!?  日本人の生活に寄り添ってきた歴代日産マーチという存在を改めて考える

■2代目:1992年登場 実用モデル中心だが、カブリオレやBOXなど派生車も登場!! 

 2代目マーチは1990年登場の初代プリメーラとともにイギリスのサンダーランド工場で生産される国際戦略車だったこともあり、当時の日本車の実用車としては高い全高を持ち、ボディサイズのわりに広いキャビンを持つなど、実に堅実なモデルとして登場した。

2代目(K11)。愛らしいスタイルながら実用的な居住空間を備え、発売から10年間コンスタントに売れ続けた。初代キューブもこのモデルをベースに開発、発売された
2代目(K11)。愛らしいスタイルながら実用的な居住空間を備え、発売から10年間コンスタントに売れ続けた。初代キューブもこのモデルをベースに開発、発売された

 2代目マーチの登場時、日本はバブル崩壊により世の中が慎ましやかな雰囲気になりつつあったこともあったが、この時代背景は2代目マーチには追い風となり、この頃から長い低迷が始まる日産において2代目マーチは数少ないコンスタントに売れるモデルでもあった。

 2代目も初代モデル同様、長いモデルサイクルを想定していたのか、プラットフォームだけでなく、1Lと1.3Lの4気筒エンジンはともに新設計だった。特に1.3Lエンジン搭載車にはクリープ現象がないという未完成なところがあったのも事実ながら、低燃費かつスムーズなCVTも設定され、CVTは登場翌年に1Lエンジン搭載車にも追加された。

 2代目マーチは初代モデルのターボやスーパーターボのようなスポーツモデルこそなかったものの、タンゴ、ルンバ、ボレロといったオーテックジャパンの手によるフロントマスクやインテリアの雰囲気を変えたモデルや、オープンのカブリオレやミニステーションワゴンのBOX、初代キューブといった派生車も多数追加された。

「マーチカブリオレ」。実用モデルのイメージが強いが、こんな遊び心満載なオープンカーも存在した
「マーチカブリオレ」。実用モデルのイメージが強いが、こんな遊び心満載なオープンカーも存在した
もうひとつの派生モデル「ボックス」コンパクトなマーチでは望めない積載性を求めたらこうなった? 堅調に売れたベースモデルとは裏腹に販売はまったく振るわなかった
もうひとつの派生モデル「ボックス」コンパクトなマーチでは望めない積載性を求めたらこうなった? 堅調に売れたベースモデルとは裏腹に販売はまったく振るわなかった

■3代目:2002年登場 カエル顔の愛らしいデザインも実用性抜群、日産の救世主であり続けた

 3代目マーチは1990年代後半に経営危機に陥っていた日産が1999年にルノーと資本提携を結び、そのデビュー前年となる2001年登場のV35型スカイラインがトップバッターとなったFR系のFMプラットフォームを使った車種群に続く、新生日産を象徴するモデルとして登場した。

3代目(K12)。1990年代末に経営危機を迎えた日産はルノーとの資本提携を締結。その提携後に発売された。「カエル顔」のファニーな外観や多彩なボディカラーが話題となった
3代目(K12)。1990年代末に経営危機を迎えた日産はルノーとの資本提携を締結。その提携後に発売された。「カエル顔」のファニーな外観や多彩なボディカラーが話題となった

 ルノーとの資本提携もあり、ルノールーテシアの2代目モデルと共通のプラットフォームを使っていた3代目マーチは、個性的なエクステリアと使い勝手のいいインテリアが大きな特徴だった。

K12の室内。しっかりデザインされたオシャレな内装で、居心地がいいだけでなく、インテリジェントキーなどの便利装備も設定し好評だった
K12の室内。しっかりデザインされたオシャレな内装で、居心地がいいだけでなく、インテリジェントキーなどの便利装備も設定し好評だった

 また、コンパクトカーでありながら、携帯電話との接続により、各種案内サービスなどが受けられるカーウイングスや、キーでの操作なしで施錠と解錠、エンジンのオンオフが可能なインテリジェントキーを設定したことも話題となった。

 標準モデル以外のバリエーションも初代と2代目モデルほどではなかったが、代表的なものとしてはチューニングされた1.2Lを搭載するなどしたSR系や、英国サンダーランド工場製のオープンモデルとなるマイクラC+Cが追加された。

 また、3代目マーチのモデルサイクル終盤はリーマンショック後の不景気が直撃したが、100万円を切る特別仕様車を中心としながら、モデルサイクルを通じて堅調に売れ続けた。

次ページは : ■4代目:2010年登場でVプラットフォーム採用も新興国向け仕様では魅力半減

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