ぜひ日本導入を!! 中国の新鋭ブランドLYNK&COの侮れない実力!!

■やはり操縦性や乗り心地はボルボXC40に近い?

操縦性もボルボに近いのかと思ったが乗り心地重視のソフトなセッティングであった。確かに中国人オーナー/ドライバーは欧州のそれと比べると速度も超過せず、淡々と走っている。その点はハイウェイパトロールが怖くてビクビクしながら走っているアメリカのドライバーに似ている。

その結果、ステアリングフィールもやや不自然で曖昧なところがある。ステアリング特性は基本的にはニュートラル、ただし速度を上げると外側に向かうのも安定志向の規範的な動きだが、引き戻そうとグッとステアリングを切り込むと、最新のボッシュ制御装置がちょっと早めに介入してかえって姿勢を崩してしまう傾向にある。

搭載されている2L、4気筒ターボの最高出力&最大トルクは180ps/27.3kgmで必要にして充分。シャーシの柔らかさに対してスロットルはやや敏捷なので俊敏な加速が楽しめる。まあ、一応は欧州や日本車並みの操縦安定性は確保されている。

テールランプ回りのデザインが個性的。デザインをてがけたのはLYNK&COのデザイン統括責任者のピーター・ホーバリー。04〜09年(480、850、XC90など)までボルボデザインのトップ。その後、フォードに移った後、再びボルボ(代表作はV40)に戻り、2011年からジーリーのデザイン部門上級副社長に就任

■LYNK&CO 02は欧州で2020年に発売する予定

  このLYNK&CO 02は欧州で2020年から発売が開始されるが、まず欧州各国の首都に旗艦店を置く。しかし販売店を持たず、移動式の展示トラックで展示集客、そしてインターネットで販売を行う。

しかし、正確にはすべてリースで、その期間は1カ月からと非常にフレキシブルである。心配なメンテナンスはすべてボルボのネットワークで行われるという。販売方法も革命的なのだ。

生産は中国だけでなく、ベルギーのゲントにあるボルボ工場でも行われる。さらに計画では北米にも工場を建設し、世界で50万台を販売すると、息巻いている。

■今のところ、日本での発売は予定していないが、もしかしたら……

ところで日本市場での発売についての具体的な話はなかったが、その可能性は充分にある。現在では中国産の自動車は日本では認定が取れないが、欧州やアメリカでの発売を目指しており、特にゲントで生産されるモデルなら日本での販売もそう大きなハードルはなさそうである。

問題は日本のユーザーが中国メーカーのクルマを受け入れるかどうかだ。韓国車は無理だったが、中国車、特にこのLYNK&COはありうると思う。それはまず中身はボルボであること、そして同じモデルが欧州でも生産されているということである。

価格についての言及はなかったが、相当な戦略的な価格になるはず。いずれは電気量販店に溢れる中国製PCのように、日本車を駆逐する日がやってくるかもしれない。

※編集部註:6月28日、LYNK&CO 02の中国での価格が発表された。14万2000元(約232万円)〜19万8000元(約323万円)

02の生産は北京からクルマで北へ2時間半ほどの町張家口市(Zhangjiakou)に新設された新工場。80万平方メートル(東京ドームの17倍以上)総工費16億ユーロ(約2000億円)を投資して完成内部のプレス、精密計測機や工作機械設備はほとんどドイツ製である

もちろんすべてネットワーク化、さらに再生水を使うなど環境にも留意している。フル稼働で年間20万台が生産可能であるという

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