■まさにサロンと呼びたくなるキャビン
インテリアは、まさに贅沢で快適な移動空間として構築されている。時計のベゼルデザインを取り入れたレザーシートは全車に標準化。ダッシュボードには、最新式のデジタルメーターと大型のタッチスクリーンを備えた現代的なものであるが、スイッチやメッキアクセントにローレット加工を施すなど、細部まで丁寧にデザインされている。
さらに現代車では、高級車の証といえるアナログ時計が、ダッシュボード上部に備わるが、これはフランスのラグジュアリー時計ブランド、「B.R.M」のアナログ時計。これには回転収納式のギミックが備わる凝りようだ。
快適装備としては、SDナビゲーションシステム、ハイエンドオーディオメーカーFOCALの14スピーカー&515Wのサウンドシステム、フロントシートヒーター&ベンチレーション機能、スマートフォンワイヤレスチャージャーなどを全車に標準化。
最上位となる「オペラ」では、リアシートが「DSラウンジ」となり、後席左右のヒーターとベンチレーション機能、シートなどの操作機能付きの専用リアアームレストなどが追加され、エグゼクティブの快適な移動をサポートする。
■ガソリンとPHEVの選択が可能に
駆動方式は、前輪駆動仕様のみとなるが、パワーユニットは、ガソリンエンジンとPHEV「E-TENSE」の選択が可能だ。いずれも1.6L直列4気筒ターボエンジンを搭載するが、チューンが異なる。
まずPHEV「E-TENSE」だが、エンジン単体で最高出力200ps/6000rpm、最大トルク300Nm/3000rpmを発揮。これにモーターが組み合わされる。その性能は、最高出力110ps(81kW)、最大トルク320Nmと力強いもの。トータル性能は、250ps/360Nmとなる。
EVモードの最高速度は、135km/hなので、日本の道路事情ではEV感覚で使うことも可能。その航続距離は、61km(WLTCモード燃費)と実用的。搭載される15.6kWhのリチウムイオンバッテリーは、200W普通充電は3kW出力で約5時間、6kW出力で約2.5時間なので、簡単に満充電にすることができる。ハイブリッド状態の燃費は、14.0km/L(WLTCモード燃費)となる。
一方、ガソリン車は、最高出力225ps/5500rpm、最大トルク300Nm/1900rpmとピュアエンジン車らしい専用セッティングを採用。出力の向上と最大トルクの発生回転数が抑えられている。燃費消費率は、14.4km/L(WLTCモード燃費)となる。トランスミッションは、いずれも8速ATを組み合わせている。
■トリムレベルはいずれもふたつ
グレード構成は、「REVOLI(リヴォリ)」と最上位の「OPERA(オペラ)」の2種類。いずれもガソリン車とPHEV「E-TENSE」の選択が可能だ。2グレードの違いは、内装の装飾と装備レベルだ。
「REVOLI」は、インテリアがブラック基調となり、シートとドアトリムなどもブラックレザーに。その表皮にはダイヤモンドステッチが施される。装備面は充実しており、前後カメラ、衝突被害軽減ブレーキ、DSコネクテッドパイロット(トラフィックジャムアシスト/レーンポジショニングアシスト付)、アクティブクルーズコントロール(ACC)、DSパークパイロットなどの先進の安全運転支援機能も標準化。
上記のナビや高級オーディオシステムに加え、ETC2.0車載器、19インチアロイホイール、快適な乗り心地を提供するアクティブスキャンサスペンションまで備わる。
最上位の「OPERA」は、インテリアがボルドー基調となり、ナッパレザーにアップデートされ、シート表皮はウオッチベゼルパターンとなり、ルーフランニングもアルカンタラ張りにするなどの視覚的な差別化が図られる。
さらに装備面では、DSナイトビジョン、スライディングガラスルーフ、DSラウンジリアシートなどが追加される。後席の利用頻度が高い人は、OPERAがお薦めだが、ドライバーズカーならば、いずれも魅力的な内容となっている。
これまでハッチバックとクロスオーバーSUVを中心に展開してきたDSだが、ついにラグジュアリーカーの王道であるセダンを投入してきた。かつてDSのデザイントップにインタビューした際、高級車にとってセダンの重要性と美しさを語ってくれたことがあった。
それだけDS9の投入は、DSにとって念願だったといえる。日本では、世界の名立たる高級車が手に入る環境にあるが、そのなかでいかに存在感を示すか、DS9の活躍が注目される。少なくとも、王道のドイツ車だけでなく、英国車や米国車などの名立たる高級車たちと並べても、しっかりと存在感を示すことはできそうだ。
【画像ギャラリー】新たなフレンチラグジュアリーのフラッグシップ、「DS9」の全容(13枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方