バックカメラ装着が令和4年5月以降に発売される新車から義務化! ほんとに必要か? 後付け需要も増加する?

■日本で普及が進む「バックカメラ」

 現状として日本メーカーは多くの車両で、バックポジションの選択時に連動する後方視認用カメラと車内に設置されたモニターを通じて車両後方の状況を確認可能として、後退時の事故防止や駐車時や車庫入れなどの際に利用可能な「バックカメラ」機能を、多くのモデルで標準装備としている。

 ちなみに、現在では商用のトラックやトレーラーヘッドなどでは、アフターパーツの後付けも含めて安全装備として普及していることも見逃せない。

 バックカメラの多機能化は進んでおり、乗用系車両でもナビゲーションシステムや後退時のバックモニターとして、駐車時のブレーキサポート機能などと組み合わされている。

 さらにトヨタでは、雨滴除去機能付きの「マルチビューバックガイドモニター」が用意され、機能的にも標準ビュー/ワイドビュー/ワイドビュー+トップビューのモニター上での表示切り替えが可能となった。

雨滴除去機能付き「マルチビューバックガイドモニター」。トヨタでは雨滴除去機能付きの「マルチビューバックガイドモニター」が用意され、機能的にも標準ビュー/ワイドビュー/ワイドビュー+トップビューをナビ画面での表示切り替えが可能としている
雨滴除去機能付き「マルチビューバックガイドモニター」。トヨタでは雨滴除去機能付きの「マルチビューバックガイドモニター」が用意され、機能的にも標準ビュー/ワイドビュー/ワイドビュー+トップビューをナビ画面での表示切り替えが可能としている

 輸入車でも、メルセデス・ベンツやBMWなどの輸入車はリアビューカメラとして採用してドライブアシスト機能に装備している。ちなみに、メルセデス・ベンツの車両ではリアエンブレム部分が開いてカメラが出てくるといった仕掛けが与えられ、「パーキングアシストリアビューカメラ」と呼ばれている。

■純正バックカメラの後付けは難しい?

 バックカメラは、現在新車では純正品として装備され、ナビゲーションシステム用ディスプレイなどとともに、メーカーおよびディーラーオプションの設定で5万~10万円ほどで取り付けることができる。

 たとえば日産のノートでは後部の単体カメラを「バックビューモニター」として純正ナビゲーションシステムとともにディーラーオプション設定している(価格は3万8000円、取り付け費・消費税込)。

 とはいえ、セレナでは後部カメラ用の配線を設定しつつも、カメラ単体での設定は見られないといったように、車種ごとの設定方法が変わるので注意が必要だ。

 メーカーに後付け対応について問い合わせてみると、今回の法改正では対象は新車なので慌てて所有車に後付けする義務はないので、基本的にはディーラーで旧モデル用などの純正バックカメラ単体を、所有車に後付けするようなことは簡単ではなさそうだ。

■アフターパーツは豊富でも……

 たとえば新車でなくても、所有車の純正ナビが旧式になって、社外品に買い換えたい場合に、純正品と手軽なアフターパーツ、どちらのバックカメラを選ぶべきか考えるユーザーもいるかもしれない。

 後付けのアフターパーツとしてカメラ&モニター(ハーネス)をセットとして販売される製品をみると、価格は2000円(主に海外製品)から1万円程度まで(工賃含まず)、小型カメラの解像度などの性能、ルームミラー型などモニターの形式やサイズなどによって変化する。

 配線作業が不要となるワイアレス機能付きの製品や前後左右でカメラ4台を装着するような商品もある。接続ハーネスはアフターパーツで1000円程度だ。ともかくバリエーションが豊富なだけに価格などのバラツキが大きく、選択には苦労するはずだ。

 いっぽう、各メーカーがディーラーオプションとして設定している純正ナビゲーションシステムを手がけるような大手メーカー製であれば、取り付け可能であれば2万円前後で見つかる。

 ただし、純正ナビに一般的な社外バックカメラをつなぐためには、専用の変換アダプター(ハーネス付き)などを利用するケースがほとんどだ。

 問題はむしろ工賃で、アフターパーツ量販店で購入して取り付けるのであれば、車種にもよるが設置が簡単な小型カメラとハーネス部品を使用した場合は、前述のように1万~1万5000円で済むはず。

 ただし、配線作業、バンパーやパネル加工などが加わってしまうと、場合によっては取り付け工賃が増加してしまう可能性もある。

 このようにアフターマーケットに出回っているバックカメラには、レンズ単体に近い小型品や車種を指定した専用品、ボディの加工を必要とせずナンバープレート付近にはめ込むタイプなど多くの種類がある。

 それでも自らの手で後付けするのは難しく、プロに依頼したほうがよいだろう。なにより、取り付けに関しては画像が正常に映るように調整する必要があり、素人には取り扱いが複雑な配線作業があればそう簡単には行かないからだ。

 加えて、正確に画像(映像)が表示されるためには、カメラについては画角の広さと画質をチェックしておきたい。

 バックカメラには、標準レンズと広角レンズを使用する製品があり、標準レンズは肉眼に近い画角の画像になるため後方にある障害物などとの距離感は掴みやすいが、視認できる範囲が狭いため確実に目視で確認するべきだろう。

 いっぽう、広角レンズは視認範囲が広いため後方の死角が少なくなるものの、肉眼とは見え方が異なるので距離感を把握するには慣れが必要になる。

 画質に関しては、夜間でもある程度鮮明な画像が得られる30万画素以上のものがあり、赤外線センサーやLEDライトが付属する製品であれば、夜間でも後部を明るく照らせるので画像が見やすくなる。

次ページは : ■後付けはあくまで慎重に

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