【結論】MTとAT、それぞれの長所と短所は?
欧州では今でもMT比率が高い。その理由は加減速感がナチュラルなことと、各ギヤのセレクト権がドライバーにあるから、加減速のコントロールが行いやすいこと。この環境に慣れ親しんでいるからだ。
もうひとつ、MT車のほうがAT車に比べて構造がシンプルなので圧倒的に軽量であることも要因だ。そして車両価格も安い。
今ここで日本人もMTを再認識するべき、と筆者は考える。MT車なら高齢者によるアクセルの踏み間違いも、かなり高い確率で抑止できる。
今回感心したのはマツダ アクセラ1.5LのMT車にはACC(先行車追従型クルコン)とLKA(車線逸脱回避支援システム)が装備されていたこと。
このふたつの装備があれば、高速道路で疲労をかなり軽減できる。カローラスポーツのMTにはACCの設定はあるがLKAはない。MTモデルにもLKAは必須と考える。
この点、マツダは理解が深いと感じる。さらにアクセラでは発進でエンストしても、クラッチを踏み込めば自動的にスターターが回り、エンジンがかかる(CX-3の場合はNGだったが)。でも、日本人はAT車を買うだろう。そういう民族なのだ。
では、最近2ペダル車、AT以外にDCT(デュアルクラッチトランスミッション)、CVTとあるがこちらはいかがなものなのか? 正直、燃費を優先するのならCVTを選ぶべき。CVTの無段変速コントロールは効率がいい。
ただ、長い下り坂でのエンジンブレーキが弱く、マニュアル操作を覚えておいたほうがブレーキの負担を減らすことができる。
その点、DCTは加減速フィーリングが最もMTに近いのでお薦め。ただ、こちらもCVT同様にクラッチおよび変速機構を動かすための補器類(オイルポンプなど)を必要とし、構造が複雑になり重量が増す。
特にエンジン横置きのFF車ではフロント重量が増え、ハンドリングに影響することは覚悟しなくてはならない。
今回、両車ともにAT車の乗り心地が硬く感じた。おそらくMT車に比べて重くなるATへのサスペンション系の変更があったのだろうか。
◆MT、ATをともにラインナップする国産車
コメント
コメントの使い方