■ターボはエンジンへの過給以外にも使われるようになってきた!
さらに、ターボはエンジンへの過給以外にも使われるようになってきた。EGRは排気ガスを再び燃焼室に取り込ませ、不活性ガス成分として燃料の噴射量を抑えて燃費を向上させたり、燃焼温度を抑える役割を果たす装置。低回転低負荷などたくさんEGRを使いたいシーンでは、タービンに排気ガスを回す量を抑えたい。そのためにEGRバルブを開くだけじゃなく、前述したVGターボのベーンを閉じてタービンへ回す排気ガスに抵抗を与えることも行なうのだ。
■ターボでパワーアップを狙ったエンジンは生き続ける!
では、ターボによるパワーアップを狙ったエンジンは、もう登場することはないのだろうか? そんなことは断じてない、と明言しよう。
先日開催された自動車部品業界の展示会でエンジン開発会社のAVLは、アルファロメオ4Cのエンジンをベースにパワーアップさせた仕様をデモ展示した。ノーマルのアルファロメオ4C自体、1.75Lのエンジンにターボを組み合せて240psを発生するが、その2倍近くとなる474psを発生させるエンジンを作り上げたのだ。
以前なら6LのV8でなければ得られないパワーを1.75Lで発生させる。ということは、ゆっくり走らせれば燃費もいいし、排気ガスだって少ないから、エコを両立できる。これもダウンサイジングの一種であり、これからのスポーツカーのあるべき姿と言えそうだ。
■今後はライトサイジンターボ+48Vハイブリッドがメインストリームに!
今後はダウンサイジングターボではなく、ライトサイジング(排気量適正化)ターボ+48Vハイブリッドが主流になっていくだろう。
VWグループをはじめとする欧州メーカーが採用し、主流になったダウンサイジングターボだが、最近ではマツダやVW、アウディ、ポルシェが無理に排気量を下げずに適正な排気量とするライトサイジングターボへの移行が進んでいる。
ハイブリッドシステムは現在主流の12Vではなく、48Vマイルドハイブリッドが今後のメインストリームになっていくだろう。この48Vマイルドハイブリッドは、12Vに比べ電圧が高いため、配線の抵抗損失が少なく効率がいいというメリットがあるほか、12Vに対し電流量が1/4のため太い配線が必要なく、モーターの小型化や高効率化が可能。
スポーツカーには排気量やタービンのサイズを変えることでハイパワー仕様を作り上げることはできる。パワフルな加速、豪快な走りへの憧れはそう簡単には消せやしないのだ。
それに制御やパイピングを変更するだけでグンとパワーアップできる余裕があるのもターボの魅力。メルセデスのA45を見れば分かるとおり、メーカーですらチューニングを施すのがターボのもつ魔力なのだ。
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