■WLTCモード燃費に切り替わるのはいつから?
日本でのWLTCモードに関する日程的なスケジュールは、2016年10月に法規として正式採用され、2017年4月からは各メーカーが風洞内に設置したシャシーダイナモメーターにおいて実際に屋内測定試験を実施できるようになった。
乗用車の新型車(完全な新型車およびフルモデルチェンジ車)のWLTCモードの表示義務化は、2018年10月1日から、すでに販売されている継続車は2020年9月からとなっている。JC08モードは2020年以降も併記してもいいことになっているが、WLTCモードのみの表記になる時期はまだ決まっていない。
すでに2017年6月2日からマツダがCX-3からWLTCモードの燃費表示を始めており、2018年に発売されたクラウンやジムニー、カローラスポーツ、フォレスターなどの新車もWLTCモード燃費を表示している。
■JC08モード燃費とWLTCモード燃費との計測方法の違いは?
まずJC08モード燃費からの変更点としては、上の表を見ていただければわかるとおり、最高速度、平均速度が上昇し、走行時間、総走行距離が増加している。
このほか、重要なポイントは4つある。まずアイドリング時間が減少すること。アイドリング時間比率はJC08モードの29.7%から15.4%と14.3%も減少する。
次にクルマのエンジンが温まった状態で試験を行うホットスタートがなくなること。JC08モードではホットスタートが75%で、エンジンが冷えた状態からスタートするコールドスタートが25%の比率で燃費を算出していたがWLTCではコールドスタート100%になるのだ。
試験車両の重量の違いについてもJC08モードとWLTCモードは大きく違う。JC08モード燃費では2名乗車による+110kgであったのに対して、WLTCモードでは1名乗車+荷物相当の100kgに、そのクルマの積載可能重量の15%+して審査を行う。そのため、WLTCモードのほうが重量の重い状態で試験をすることになる。
また、JC08モードの「等価慣性重量(燃費試験時のシャシーダイナモメーターに設定する負荷)」において、ステップ状に設定された区分(重量)に合わせて、特定のグレードのみ軽量化し、軽い区分にギリギリ滑り込ませるような手法は、今後できなくなる。国土交通省としても、ステップレス化によって、燃費スペシャルグレードが生み出されることへの歯止めになると考えているとのことだ。
JC08モードとWLTCモードの計測方法の違いをまとめると以下のようになる。
1/試験車両の重量の増加
2/平均速度が上昇
3/最高速度が上昇
4/走行時間、距離が増加
5/アイドリング時間が減少
6/コールドスタートのみ
7/加減速の増加
8/燃費スペシャルグレードがなくなる
コメント
コメントの使い方