■ホンダ/それぞれ個性的なユニットを持っている!
TEXT/国沢光宏 ※採点は100点満点
●1.5L、直4ターボ(国沢評価:70点)
●1.5L、直4ターボ(国沢評価:80点)
●2L、直4ターボ(国沢評価:90点)
●3.5L、V6ツインターボ(国沢評価:90点)
ステップワゴンなどの1.5L、直4ターボは自分でもしばらく乗っていたのだけれど、エンジンフィールが上質。2Lの4気筒NAよりずっと気持ちいい回り方をする。基本設計がいいんだと思う。ハイオク仕様のシビックハッチバックの1.5L、直4ターボもなかなかいい。
しかし、レギュラー仕様は1.5Lターボとして考えるとまったくパワーなし。燃費だって伸び悩む。コストパフォーマンスもよくない。もっとパワー出さないと意味ないと考えます。
シビックタイプRの2L、直4ターボは現行型で改良を受けた結果、トルクバンドが広がり、レスポンスも向上した。
国産の市販ノーマル2Lターボエンジンで最もいいと思う。しかしながらどの程度の潜在能力を持っているのか不明。三菱の4G63やスバルのEJ20のように軽く400㎰くらい出るのだろうか?
NSXの3.5L、V6ツインターボは、イマドキ大排気量のターボエンジンを開発してきたという点を前向きに評価しておく。507㎰という絶対的な出力も素晴らしい!
が、ターボエンジンとして考えれば、けっこうな高回転型。ハイブリッドというパワーユニットを考えると、もっと低い回転域から太いトルク出したほうが性能を引き出せるかもしれません。
ホンダは実用型のターボと、広く使える2Lの高性能ユニット、そして大出力ユニットというまったく違うジャンルを持っている。
各々個性的だし、高い潜在能力があると思う。今後どうやって発展させていくのか興味深いところ。現状だといずれもターボのメリットを引き出せてない。
2Lを1.6Lにして競技用ベースにするとか、1.5Lをハイブリッドの発電機用パワーユニットにするなど存在感を出したら面白いんじゃなかろうか。
■マツダ/燃費にも配慮したターボ
TEXT/斎藤 聡 ※採点は100点満点
●2.5L、直4ターボ(斎藤評価:95点)
各メーカーがダウンサイジングの手法としてターボを取り入れているのに対し、マツダはある程度の排気量を持たせながら、ターボを使って低中回転域のトルクを充実させてドライバビリティのよさと燃費のよさを両立させている。マツダはこれをライトサイジング(排気量を適正化)ターボと呼んでいる。
その代表に挙げられるのが2.5L、直4ターボを積むCX-5だろう。同じエンジンのCX-9やアテンザに北米で乗ったが、排気量はあえて2.5Lとし、エンジン摺動部のフリクション低減や気筒休止を取り入れて低負荷走行時の燃費をよくしている。
そして、そこからアクセルを踏み足した時には、ターボがレスポンスよく効いてフワッとトルクが膨らみ、力強い加速感が得られる仕組みだ。
実際、アクセルを深く踏み込まなくてもペダル一枚ぶんアクセルを踏み足しただけでもとても心地よい加速を見せてくれる。個人的にはアクセルの操作どおりにエンジンが応答し、クルマが加速してくれる点がとてもいいと思う。
ただ、無造作にアクセルを操作するとターボのレスポンスのよさが逆に気になるかも。
決して神経質な応答性というワケではないが、ドライバーの感覚に合った制御を目指すほど、無造作な操作に対して違和感が生じやすいからだ。
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