日本車なのに外国生まれ!? 急増した“逆輸入車”の思惑と利点

海外生産の日本車を日本で販売する狙い、メリット

日本仕様はセダンが寄居工場、ハッチバックが英国生産のシビック。2018年8月の販売台数はセダンの266台に対し、ハッチバックは3倍超の849台だ

 まず気になるのは価格について。定価は為替の変動に対応するため安く決めにくいこともあり、円高が長期的に続くことでもない限り、海外生産車は特に安くないというのが実情だ。

 この点はマーチやミラージュの価格が、日本生産の競合車パッソ&ブーンに対して安くないことからもよくわかる。

 では何が狙い・メリットなのか? ユーザーにとって最も大きいのは「日本で生産できるほどではないけれど、一定の需要がありそうな面白い、変わった車がディーラーで普通に買える」ことだろう。

 この点はメーカーにとっても比較的少ない投資でラインナップのバリエーションを拡充できることに通じる。

 もうひとつは、特に欧州生産の場合、ショックアブソーバーなどの部品が生産地のものとなる可能性が高い関係で、日本車でありながら欧州車のようなフィーリングを味わえることだろう。

 一例として現行シビックの標準モデルは日本生産の4ドアセダンよりイギリス生産のハッチバックの方が乗り心地がいい。

 このように海外生産の日本車は日本の自動車市場を面白くしており、日本国内の雇用などに影響を与えない“ほどほどの範囲”で増えることを望みたい。

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