新型ベンツC登場!! 超王道スポーツセダン「見た目変わらず中身は新車!」

新型ベンツC登場!! 超王道スポーツセダン「見た目変わらず中身は新車!」

2018年7月25日から、日本での受注を開始した新型メルセデスベンツCクラス。新型といっても、フルモデルチェンジではなく、現行モデルが登場してから4年でのビッグマイナーチェンジである。

今回ビッグマイナーチェンジされたのは、セダン、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレの4車種。ビッグマイナーチェンジとはいえ、その改良箇所はなんと6500箇所にもおよぶ。これは構成パーツの半分以上にあたるという。まるで新車ではないかと思えるほどだ。

だが、一見どこが変わったのかわからない。わかる人にはわかるという程度。いったいどこが変わっているのだろうか? モータージャーナリストの鈴木直也氏が徹底試乗!

また、このマイチェンCクラスと、新型クラウン、そして2018年10月2日に発表されたばかりの新型BMW3シリーズの3台を徹底比較したのであわせてみていただきたい。

文/鈴木直也、ベストカーWeb編集部
写真/平野 学
初出/ベストカー2018年11月10日号


■登場4年で6500箇所にもおよぶ改良箇所を実感できるか?

エクステリアの変更箇所は一見すると変わっているようには見えないが、フロントバンパーやリアバンパーがよりダイナミックなデザインに変更されている。ヘッドライトは、内部にマルチチャンバーリフレクターが上下4列ずつ立体的に並びデザインに変更。上位のEクラスやSクラスと同様のマルチビームLEDヘッドライトは片側84個のLED光源で前走車や対向車のドライバーを幻惑することなく照らし、最長650mまで照射するウルトラハイビームを新たに用意した。写真はC200アバンギャルド

Cクラスはメルセデスにとって最大の量販車種。昨年はセダンとワゴンで41万5000台以上を売って乗用車販売の18%強を占めている。

それだけにマイナーチェンジとはいえ、力の入れ方はハンパじゃない。構成部品の約半分、6500箇所におよぶ改良を実施。2018年7月25日に行われた日本での発表会も盛大で、新橋演舞場を舞台に歌舞伎仕立ての演出で盛り上げている。

その改良部分で重要なのは3つ。新しいパワートレーンの導入。Sクラスと同等の安全運転支援システム。10.25インチワイドディスプレイを備えたデジタルインパネの採用。ここが注目ポイントだ。

それにしても、いかにもメルセデスらしいのは、中身を徹底的に磨き上げているのに対し、エクステリアのデザイン変更が意外に控えめなこと。

もちろん、外観もさりげなく化粧直ししてはいるのだが、マルチビームLEDヘッドライトや、より空力的なバンパースポイラーなど、機能に根ざした改良がメイン。ほかにはアルミホイールのバリエーションが増えた程度で、一見したくらいではなかなか新旧を判別できない。

こういう進化のパターンこそベンツの伝統。機能は最先端のものを導入するが、見た目はジワジワとしか変わらないので、旧モデルが一気に陳腐化しない。ひいては、それが中古車価格の下落を抑制し、長い目で見るとブランド価値の向上につながってくる。

世界で指示されているモデルなので、内外装は変えすぎず、中身を大幅に進化させたという。C200アバンギャルドには、1.5L、直4ターボエンジンに48V電装系の採用により減速エネルギーの回生、駆動力のアシストなどを行なうベルト式スターター/ジェネレーターが組み合わされたマイルドハイブリッドシステムを搭載している

まずは、話題の新エンジン、M264を搭載したC200セダンに乗ってみる。完全新設計の1.5L、4気筒ターボに48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせたこのエンジン、先にデビューした直6のM256型ほど複雑ではないが、14ps/16.3kgmベルト駆動モータージェネレーター(ベルトドリブン・スターター。ジェネレーター。略してBSG)が駆動アシストと減速エネルギー回生を行う。

興味深いのは、低回転域をモーター駆動がカバーするから、従来より高速型のターボを装備していること。スペックは180ps/28.6kgmだが、最大トルクの発生回転数は3000〜4000rpm。従来型1.6Lが25.5kgm/1200〜4000rpmだったことを考えると、最大トルクを3.1kgmアップさせつつ、そのピークを高回転側にシフトしている。

今回新たに搭載されたC200用の新開発直列4気筒、1497㏄ターボは、C180の1.6L、直4ターボよりも20psモアパワー。48Vの発電機兼モーターのBSGにより低回転域をカバー、驚くべきスムーズさで走る

いざ走らせてみると、これが軽快かつシャープで気持ちイイ! 最近のダウンサイズターボは、いくらも回さないうちにトルクが飽和してあとはモワモワ加速する感覚だが、このエンジンはリニアに元気よく高回転域へ伸びてゆく爽快感がある。

発進直後のブースト不十分な領域はモーターアシストがカバーするから、ターボラグ的なもどかしさもほぼ皆無。ごくたまにわずかなトルクの谷を感じることはあるが、実用上まったく気にならなかった。

じっくり作り込まれた品質感のあるインテリアはこれまでどおりだが、コクピットディスプレイは12.3インチとなった。ステアリングはSクラスと同じデザインになっているほか、手を放さずにナビの操作や車両の設定が行えるタッチコントロールボタンも備える。またSクラスと同等の運転支援システム、インテリジェントドライブを選択することができる

現行Cクラスのハンドリングは、以前から軽快感のあるものだったが、この新エンジンを得てさらにノーズが軽くなった感じ。全長4.7m×全幅1.8mで、車重1.5トンのセダンとは思えないくらい、エンジンの吹き上がりもフットワークも軽やかだ。

新型Cクラスの美点は、この軽快感あふれる走りとしなやかな乗り心地がキチンと両立していること。今回のマイチェンを機に、日本仕様のみランフラットタイヤを廃止したのも英断。乗り心地に関しては、偏差値の高い欧州プレミアムの中でもアタマひとつリードしていると思う。

乗り心地といえば、新型2L、直4ディーゼルターボ(OM654)搭載のC220dステーションワゴンが、今回試乗したバリエーションのなかではベストだった。

操安性の面ではノーズが少し重くなった印象があるが、そのぶん乗り心地のしっとり滑らかなことはガソリン仕様を凌ぐ。走りに関しても最大トルク40.8kgmと強力。走りが重厚で高速クルーズ性能抜群のワゴンとして、こちらもきわめて魅力的な存在だと思いました。

C220dに搭載されているエンジンは194ps/40.8kgmを発生する最新の2L、直4ディーゼルターボ。トランスミッションは9速AT

C200、C220dのインテリアカラーは多彩でブラック、ブラウン系などが用意される。レザーパッケージも選べる

●Cクラスセダンの価格とラインアップ
C180(受注生産モデル、1.6L、直4ターボ)=449万円
C180アバンギャルド(1.6L、直4ターボ)=489万円
C200アバンギャルド(1.5L、直4ターボ)=552万円
C200 4マチックアバンギャルド(1.5L、直4ターボ)=580万円
C220dアバンギャルド(2L、直4ターボ)=578万円

●Cクラスステーションワゴンの価格とラインアップ
C180ステーションワゴン(受注生産モデル、1.6L直4ターボ)=473万円
C180ステーションワゴンアバンギャルド(1.6L、直4ターボ)=513万円
C200ステーションワゴンアバンギャルド(1.5L、直4ターボ)=576万円
C200 4マチックステーションワゴン アバンギャルド(1.5L、直4ターボ)=604万円
C220dステーションワゴンアバンギャルド(2L、直4ターボ)=602万円

※AMGモデルは除く

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