超ド級! 歴代WRCベース車 5選 こんな市販車もう出ない!?

マツダ ファミリア GT-R

ファミリア GT-R(1992年発売)/全長×全幅×全高:4075×1690×1390mm、1.8L直4ターボエンジンは210ps/6000rpm、25.5kgm/4500rpmというスペック(※写真は海外仕様)。さらに軽量化した限定車としてGT-Aeも発売された

1989年に登場した7代目ファミリアにもWRC参戦のためのホモロゲーションモデルが設定されていた。ファミリアのホットハッチは、1.8Lの直列4気筒DOHCターボにフルタイム4WDの刺激的なGT-XとGT-Rだ。

1990年5月に発売されたGT-Xの心臓は1.8LのBP型DOHCターボ。180psと平凡なスペックだが、低回転から分厚いトルクを発生し、3500回転から上ではシビレる加速を見せつけた。

4WDシステムはセンターデフ式で、センターとリアにビスカスLSDを装備。重量配分は前が43、後ろは57と、リア寄りにトルク配分を設定した。しかも軽量だからFR車のように軽やかなハンドリングだった。WRCでは1989年と1991年にグループNクラスでドライバーズチャンピオンに輝いている。

だが、パワー不足は否めない。そこで1992年1月にGT-Rを発売。インタークーラーを横置きから縦置きに変更して放熱性能をアップし、最高出力も210psに引き上げている。さらに300台限定でGT-Ae(eはエボリューションの意味)も発売された。

この年をもってWRCから撤退したが、国内戦では大暴れした。GT-Aeはストリートでもダイナミックな走りだ。

日産 パルサー GTI-R

パルサー GTI-R(1990年発売)/全長×全幅×全高:3975×1690×1400mm、エンジンは2L直4ターボで230ps/6400rpm、29.0kgm/4800rpmを発揮

1950年代からラリーに参戦し、技術を磨いてきた日産がWRCを制するために送り出したのがパルサー GTI-Rである。

パルサーが1990年8月に4代目になったとき、刺激的なホットハッチを投入。GTI-Rは軽量コンパクトなボディにシルビアなどに積んでいる2LのSR20DET型直列4気筒DOHCをチューニングして搭載。

クーリングチャンネル付きピストンやナトリウム封入バルブ、大型タービンなどを採用し、最高出力230psを達成している。駆動方式はブルーバードSSS-Rから譲り受けたフルタイム4WDのアテーサだ。

WRCでの活躍が期待されたが、最高位は1992年スウェディッシュラリーの3位にとどまり、期待はずれに終わっている。が、ワインディングロードやサーキットでは痛快な走りを満喫でき、操る楽しさは格別だった。

三菱 ランエボVIII

ランエボVIII(2003年発売)/全長×全幅×全高:4490×1770×1450mm、2L直4ターボエンジンは280ps/6000rpm、40.0kgm/3500rpmと凄まじいトルクを発揮。歴代エボの中でも印象深い一台だ

このパルサーと違い、WRCで大活躍し、世界に勇名を轟かせたのが三菱のランサーエボリューションである。1992年9月に誕生して以来、着実に進化を続け、エボリューションシリーズは4代にも及んだ。

そのなかで注目したいのは、第3世代である。2001年2月に登場したが、途中で6速MTやスポーツモード付き5速ATを設定し、魅力を広げた。印象に残っているのは2003年に登場したランエボVIIIだ。

日本のセダンとして初めてカーボン製リアスポイラーとアルミ製ルーフを採用し、重心を下げた。また、2Lの4G63型DOHCターボは280psの最高出力こそ変わっていないが、最大トルクを40kgmの大台に乗った。

2Lという排気量の中で最高のパフォーマンスと速い走りを追求したのがランエボシリーズだ。いまステアリングを握ってもワクワクさせられる。

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