日産車はほんとに売れてるのか??? 絶好調の秘密を探る!

■日産車全体の直近販売台数を見ると3位〜4位!

※自販連のデータ。乗用車のみ

 ここまで「販売ナンバー1」をそろえるのに、さぞや相当販売台数が伸びていると思うのだが、商用車を除いた乗用車の2018年1〜10月の販売台数を見ると、登録車(普通車+小型車)単独では、トヨタ、ホンダに次ぐ3位だった。

 まず今の国内販売では、37%が軽自動車で占められ、トヨタと日産を除くホンダ、スズキ、ダイハツは軽自動車で売れゆきを伸ばすことが挙げられる。

 ホンダではN-BOX(スラッシュを含む)がホンダ車全体の33%を占めて、軽自動車まで枠を広げるとホンダ車の約半数に達する。

 日産もデイズと同ルークスに力を入れるが、他メーカーはそれ以上に軽自動車が強く、これが好調に売れて総台数を押し上げた。

 そうなると軽自動車が売れる代わりに登録車は下がり、日産車が上位に入る余地を与えている。日産の軽乗用車の販売台数を見ると、ダイハツ、スズキ、ホンダに続いて4位だった。

 登録車シェアの45%をトヨタ(レクサスを含む)が握り、日産は13%だ。日産が登録車市場で2位といっても、一強多弱の後者に含まれる。

 要は日産が登録車で好調に見えるのは、国内の売れゆきが軽自動車中心に移行した結果にすぎない。

 イメージ的にはずっと日産は2位メーカーと思っていたのだが、登録台数と軽自動車を合わせた乗用車の販売台数の総合順位は4位だから「販売台数ナンバー1」を連呼するのは少々空しい気もする。

■ノートが登録台数ナンバー1になった理由

ノート躍進の理由は間違いなくe-POWERだが、ノートNISMOやノートNISMO Sを投入することによってスポーツイメージを高めたことも功を奏している

 ノートが登録台数ナンバー1になった理由として、以前は登録車の販売1位を競っていたプリウスとアクアの売れゆきが、最近になって下がったことも挙げられる。

 アクアの発売は2011年末だから、今では約7年を経過する。売れゆきが下がって当然で、むしろそれでも販売上位に喰い込んでいるほうが立派だ。

 販売1位のノートも2012年の発売だから古いが、e-POWERを2016年に追加して、今ではノート全体の圧倒的多数を占める。ノートe-POWERという新型車を発売したようなものだから、ハイブリッド車として古くなっていたアクアに勝てた。

 両車を比べると燃費はアクアも優れ、ボディが軽いから動力性能は十分だ。背が低く走行安定性も良いが、比べれば動力性能はノートが高く、静粛性も優れている。さらにノートは前席に加えて後席も広く、大人4名が乗車しても快適だ。機能はノートが少し勝る。

 そしてノートe-POWERは宣伝が巧みだった。「電気自動車のまったく新しいカタチ」と銘打って関心を集め、S/エコモードでは回生充電の効率を向上させた。

 アクセルペダルを戻せば即座に回生による減速が生じるため、アクセル操作だけで速度を自由に調節できる。この機能はユーザーによって馴染みやすさが異なるが、ノートe-POWERでは便利な先進技術と宣伝して人気に結び付けた。

 そしてアクアの設計が古くなり始めたタイミングでノートe-POWERを発売したから、販売合戦で勝つことができた。

 もうひとつの理由に、トヨタ車では緊急自動ブレーキを作動できる安全装備の遅れがあった。トヨタセーフティセンスCは遅れて装着されながら、歩行者を検知できない。最近になって改良を開始したが、安全装備の遅れもアクアがノートに差を付けられる一因になった。

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