【シビック、XV、VW…】シートの仕組みから研究!!「いいシート」の車たち

■番外編/レクサスLS

国産車のなかでは最高峰に位置するレクサスLSのシート

いいシートのクルマ最後は、1000万円超えとなり、高いクルマを紹介するのは最後まで腰が引けたが、やはりいいシートの日本車の最高峰として挙げないわけにはいかない。番外編ということでご勘弁いただきたい。

レクサスLSはシートの快適性を得る努力は驚異的といえる。トヨタ紡織はいうまでもなくトヨタ傘下のシートメーカーであり、LSのシートは電動化の極みといえる。

例えば、運転席にはシートに内蔵した空気袋によって形状を変化させるアイシン精機が開発したニューマチック(空気式)システムとモーターを組み合わせた28Way(!)調整式フロントパワーシートは、肩甲骨を保持するショルダー部、骨盤を支えるヒップ部(世界初)などの空気式のサポート機能をもつなど、機能の多様性を突き詰めた“豪華装備”だ。

当然ながら、長距離走をこなしても優れたシートであることはさすがに実感できても、それがシートに与えられた最新機能の恩恵なのかを判断することは難しい。それでも、先の東京モーターショーのトヨタ紡織ブースに展示されたカットモデルを目にした時には、エア導入機構の複雑さに驚かされたことを鮮明に記憶している。

■日本市場における主なシートメーカー一覧

最後に日本の主なシートメーカーと、そのシートメーカーが製造しているシートを装着している車種をリストアップしておこう。

■トヨタ紡織
日本市場における数量シェア約30%を占める日本最大のシートサプライヤー。トヨタグループのサプライヤーのためトヨタが最大の顧客である。

そのトヨタ向けは、多くの主力車種に搭載されていることから、シート納入数量シェアは約80%で、商用車、コンパクトカー、軽自動車のうちダイハツが生産しているモデルを除くと約90%を占める。このため、日本市場におけるシートの数量シェアは約30%を占める日本最大のシートサプライヤーである

・装着車種/86&BRZ、アルファード&ヴェルファイア、ノア&ヴォクシー、センチュリー、クラウン、MIRAIほか。レクサスはES、GS、LS、RXなど全車種。

■タチエス
日本市場における数量シェア10%超を占める第2位のシートサプライヤー。独立系であるが、かつて資本関係にあった日産や三菱向けが主であった。現在はホンダ、トヨタ向けの比率が高い。

・装着車種/ノート、リーフ、フェアレディZ、GT-R、フリード、N-BOX、N-ONE、ヴェゼル、S660ほか。

■日本発条(ニッパツ)
自動車用ばね日本最大手であり、シートサプライヤーとしても日本市場における数量シェア10%強で第3位であり第2位のタチエスに肉薄している。独立系で日産と富士重工向けにシートを納入しており、特に富士重工向けは約50%と高い数量シェアである。

・装着車種/フーガ、シーマ、フォレスター、インプレッサスポーツ&G4、XV、ワゴンR(一部)、スイフト(一部)、ジムニー(一部)ほか

■スニック
日本発条とスズキの合弁企業、スズキ向けのシートのメインサプライヤーで小型乗用車と一部の軽自動車に搭載されている。日本市場における数量シェア約8%で第4位であり、スズキ向けシートではシェア約50%を有する。

・装着車種/ジムニー(一部)、ジムニーシエラ、ハスラー、アルト、ワゴンR(一部)ほか

■富士シート
ダイハツ系で、シートのほかドアトリムや天井トリムを生産、日本市場における数量シェア約6%で第5位。ダイハツ車向けシートのほぼ全量を供給し、ダイハツが開発、生産してOEM供給しているトヨタ車向けシートにも搭載されている。

・装着車種/ブーン(パッソ)、ミラ、ムーヴ、タント、ウエイクほか

■テイ・エス テック
ホンダ系のシートを主とした内装部品サプライヤーであり、日本市場におけるシートの数量シェア約5%で第6位である。

・装着車種/フィット、グレイス、ステップワゴン、オデッセイ、N-WGN、CR-V、アコードHVほか

■難波プレス工業
三菱自動車向けシェアは約60%、三菱ふそうトラック・バス向けは約90%。

・装着車種/ekシリーズ、i-MIEVほか

■デルタ工業
マツダ向けシートを主に手掛ける。

・装着車種/ロードスター、デミオ、アテンザ、CX-5ほか

宝和工業
スズキの軽自動車向けにシートを納入しており、スズキ向けシートのシェアはスニックに次ぐ。

・装着車種/アルトラパン、アルトターボRS、スペーシア、ソリオ、スイフト(一部)ほか

■東洋シート
マツダ向けシートのシェアはデルタ工業とほぼ半々。スズキ車のシートもてがける。

・装着車種/アクセラ、MPVほかスズキ車一部、ロードスターのコンバーチブルのトップを製作

■丸菱工業
三菱パジェロおよびデリカD:5などのシートを納入している。

■しげる工業
スバルへシートを納入。かつてはスバルの軽自動車を主に納入していたがスバルの軽自動車生産撤退によりシェアが低下した。

■ジョンソンコントロールズ・シート部門
 ジョンソンコントロールズのシート部門は2016年に独立してアディエントとなり(日本ではアディエント合同会社)、自動車用シート世界シェア3割を超える企業となっている。ちなみに、シートメーカーのカイパー社がレカロを買収後、カイパー社がジョンソンコントロールズに自動車用シート部門を売却、その後はレカロの自動車用シート部門はブランド管理をレカロ・ホールディングズが行い設計・生産などはアディエントが実施している。

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