【シビック、XV、VW…】シートの仕組みから研究!!「いいシート」の車たち

■マツダロードスター

人馬一体感を得るためにはシートの開発にも力を注いだというロードスター

ロードスターのSグレードに採用されている「ネットシート」

ロードスターRSに採用された専用開発のレカロシート

ロードスターでもスポーツグレードといえる「RS」では、レカロ製アルカンターラ/ナッパレザーのコンビネーション表皮を備えたスポーツシートが存在するのだが、標準仕様のシートも充分に価値がある。

ロードスターのシートがなにより好ましい点は、見た目のお仕着せがましいスポーティさの過剰な演出が少なく、身体全体を適度にホールドしてくれる自然な感触を備えていることだ。

マツダ系列のデルタ工業がマツダと共同開発したロードスターの標準シートには、「ネットシート」と呼ばれる機能が背面と座面に採用されていることにあるようだ。

ウレタンパッドと金属バネに代えて装着されたネット素材は特殊な弾性繊維を使用して作られた網状組織で、布状のバネ材だ。

身体を面で支えて体圧を分散させる機能を備える。さらに座面ネット部の下面に前後方向にネット素材を追加して、座面中央部分の反力不足を補うことで、お尻が前にずれ込んだり、坐骨部に圧が集中するのを防ぐ効果を備えるという。

右がネットシート、左が普通のシート。乗員の身体を包み込み、心地よさを提供する「フィット 性」を確保するためにはシートが身体を柔らかく広い面積で支えることが必要であると考え、新型ロ ードスターではネット材にスラブウレタンを接着し、ネット材とスラブウレタンの密度、硬度を最適化することでシート表面が柔らかく身体にフィットし、広い接触面積を確保できるようにしたという。先代モデルのシート比で10%の軽量化と最大で30mmの薄型化を実現 し、軽量・薄型化と高性能を両立させることができたという

 もう少し詳しく紹介しよう。一般的なシートは主に表皮、プリーツ、ウレタンパッド、金属ばね、フレーム等の構造からなる。このなかでシ ートの厚みの主要因を占めるウレタンパッドは、乗員が着 座した時の体圧分散性、クッション性、振動減衰性といっ た機能を持ち、シート快適性への寄与度が高い。

そのため、 薄型かつ軽量化のためにパッド厚を薄くすると,シート快適性が悪化する。そこで新型ロードスターでは既存のウレタンシート構造とは異なる「ネットシート」という構造を採用した。

ネットシートとはシートの支持構造を従来のウレタン パッドや金属ばねから「ネット材」へ変更した構造である (別イラストFig. 1)。従来シートと比べてウレタンパッド量を削減し、金属ばねを廃止することができるため、薄型かつ軽量 効果がある。

この「ネット材」とは特殊な弾性繊維を使 用して作り上げた織編組織で、軽く弾力性に優れた布状の ばね材である。ネット材はクッション性、振動減衰性の機能を持ち、金属ばねと比較して面支持による体圧分散性の 効果がある。

またネットのハンモック効果によりネット が身体に追従し包み込むように支えるため、ホールド性が 向上する。さらにネット材自体の振動減衰性が高いため、乗 り心地が向上するといった性能向上効果を期待できると考えられたという。

アフターマーケット製品を選ぶこともロードスター・オーナーの愉しみのひとつなのは重々承知しているが、標準シートもう少し評価されてもよいはずだ。

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