【シビック、XV、VW…】シートの仕組みから研究!!「いいシート」の車たち

■スバルXV

インプレッサベースのクロスオーバー、XV

2.0i-Lアイサイトのシート素材はトリコットでオレンジのステッチが入っている

スバルのシートの評判のよさは多少なりともSTIバ-ジョンやレカロなどの専用バケットシートの効果もあって、評価が難しい部分があるのだが、標準仕様のシートの出来には定評がある

インプレッサとフォレスターと基本的に共通の仕様となるXVのシートは、スプリングメーカーとして名をはせる日本発条(ニッパツ)が手がけている。ニッパツは国内では三指に入るシートメーカーであり、スバルの主な取引先だ。

XVのシートはドイツ車的といえる基本的に身体の部位を硬めのクッションで支えつつ、腰椎(腰骨)の中央部分を接点として、ポイント的にサポートする。

太ももから膝関節までを確実にサポートする座面長を備えるため安定感は高い。シビックも同様だが、主要な販売先である米国を含めた海外市場を含めて共有の仕様となることはコスト面の事情もあるだろうが、開発作業のなかで世界の各販売地域で“揉まれる”効果があるに違いない。

■VWゴルフGTI

初代からラインアップされているゴルフのスポーティバージョン、GTI

GTIのトレードマークでもあるタータンチェック柄シート

VWゴルフのシートの評判の高さはいまさら言うまでもないが、デザイン性も含めて伝統の域まで達しているGTIのシートは認知度の高さは輸入車でトップクラスだろう。

GTI用シートのメーカーについては公式には明らかにされていないはずだが、“噂レベル”の話ではあっても、レカロが関わっているのではないかと思っている。ちなみに、レカロと公式に名乗るオプションシートが用意されているのが微妙なところだ。

ゴルフの標準シートと同様に、いたずらに身体を支えようとしない。座った瞬間に感じるのは座面のフラットな形状の見た目に影響されているのか硬めの感触を覚えるのだが、座り続けていると負荷が少ないことに気づき始める。

ステッチの間隔などは標準仕様とどう違うのか、明確に言い切ることができないのだが、座面と背面座面のサポート部の形状が深くなっている“ように”思えるのだが、それだけでレカロ製とは言い切れない。

チェック柄のシート表皮はおなじみでも「Designed by Reacro」のロゴもなく、常に幾ばくかの疑いを抱いているが、変わらぬ出来映えのよさについては確信を持っている。

■ルノーメガーヌGT

205ps/28.6kgmを発生する1.6L、直4ターボを搭載するメガーヌGT。GT専用シャシーで4コントロールも採用

ホールド性もよく、固すぎず柔らかすぎず絶妙というメガーヌGTのシート

ルノーのシートには一貫した印象がある。柔らかなクッションの当たりの良さは歴代のルノーモデルに共通の感触として引き継がれて、スポーツ性の強いモデルだと、多少ハードなドライビングにもしっかりと対応できるホールド性の高さなどが加わる。

例えば、近頃日本市場にも導入された、メガーヌR.S.にはレカロ製スポーツシートが標準仕様として備わり、スポーツ走行に対応するホールド感を備えた「R.S」の名にふさわしい出来映えでぜひ評価したいのだが、クルマそのもののキャラクターの強さと価格を考えると、標準グレードとなる「GT-Line」との間を取って「GT」を推すことにしたい。

ルノーメガーヌGTには、ルノーのモータースポーツ部門であるルノー・スポールが手がけたスポーツシート(表皮はアルカンターラ)が設定されている。

体格によってはサイドサポートの深さが気になるかもしれないが、充分以上のホールド感がある。それよりもクッションの出来そのものが、「硬すぎず、柔らかすぎず」仕立てられていて身体への当たりが心地よい。「R.S.」のシートほどの強い個性とスポーティさはなくとも、「GT」のシートでも満足感が得られる仕立てだ。

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