■活況の車中泊&キャンパー用4ナンバー軽商用バン市場のなかにあって5ナンバーの軽キャンパー「タントファンクロス」の存在意義とは
今、車中泊&キャンパー向けの4ナンバー軽商用バン市場は群雄割拠の戦国時代という状況だ。
2018年7月には、センターピラーレスのN-VAN、2021年12月には約17年ぶりにハイゼットカーゴがフルモデルチェンジし、同時にアトレーが5ナンバーワゴンから4ナンバーバンに移行。
そして2022年8月にはスペーシアベースが誕生した。そして荷室サイズはハイゼットカーゴに譲るものの、根強い人気を誇るエブリイというのが軽キャンパー市場の顔ぶれ。
しかし、4ナンバーの軽商用バンは、5ナンバー乗用ワゴンと比べて、自動車税や自動車重量税ほぼ半額になるものの、積載スペースの床面積が乗車設備の床面積より大きいことと規定されているため、後席は前寄りに装着されているほか、シート自体も薄かったり、前後調整ができなかったり、膝前スペースがほぼないといった点が指摘されている。
つまり、車中泊用に適しているとはいっても、もともとは軽商用バンだから、ソロキャンパーもしくは1~2人用として割り切る必要があるのだ。
そうした軽商用バン市場ではなく、3~4人のファミリー向けの軽キャンパーとして投入したのがタントファンクロス。
さっそく、ファンクロスが誕生した背景について前出のダイハツ工業営業本部国内商品企画部の岩舘朋子さんに聞いてみた。
―アトレーバンやハイゼットカーゴとの差別化は?
岩舘さん―本格的な軽キャンパーはアトレーがあります。タントファンクロスは、普段はお子様やファミリーを送迎したりと日常使いをメインにしつつ、週末はレジャーやデイキャンプに行かれる方を想定しています。
では商用バンと、乗用ワゴンでは、積載スペース以外では何が違うのだろうか? ダイハツ工業くるま開発本部製品企画部の城迫崇嘉さんに聞いてみた。
城迫さん―やはりエンジンの搭載位置が乗用ワゴンと商用バンでは違います。商用バンは最大積載量350kgと積載量は大きいのですが、前席下にエンジンがあるので静粛性が低く、フロアが高くなってしまいます。それに商用バンのシートは薄いですが、タントファンクロスはベースのタントと同じで厚く、足回りも同じなので乗り心地も快適です。
―燃費は向上していますか?
城迫さん―ストップ&ゴー含めて実用域のエンジン制御、コンピュータを改良し、標準車で22.7km/Lにアップしています。クラストップの数値です。
たしかにスズキスペーシア・マイルドハイブリッドのWLTCモード、22.2km/Lより0.5km上回っている。マイルドハイブリッドなしで超えてきたのは凄い!
軽乗用ワゴンのアウトドア仕様というと、2018年12月に登場したスペーシアのほうが先だが、それよりも先、2014年11月に発売されたダイハツウエイクがあったのだが、残念ながら2022年8月11日をもって生産終了となった。
タントの上をいく=うえいく=ウエイクが車名の由来でまさに飛び道具満載だったのになぜ生産終了したのか? 全高が高過ぎた、車重が重すぎた、乗り心地が悪すぎたといった説が飛び交っていたが、なぜ生産終了したのか、ついでながら聞いてみた。
城迫さん―今年10月から施行された法規対応のために生産終了させていただきました。車外騒音規制に対応できなくなったためです。
コメント
コメントの使い方今回のマイナーチェンジしたタント カスタム、ギラギラしてるよりも上品になったと思います。今日実際にダイハツヘ行って実物見ましたがなかなか悪くないです。試乗もしました。