“最高点”を最も集めた1台はカローラだった
一方、選考委員一人に与えられる投票数のうち最高の10点をもっとも多く得たのはトヨタ カローラスポーツだった。しかし、トヨタはクラウンも選考対象車だったため、得票が2台へ割れることになった。
筆者も、10点はクラウンに投じた。次の6点は三菱 エクリプスクロス、4点をホンダ クラリティPHEV、そしてXC40に3点、VWポロに2点の配点だ。
クラウンは、これまでロイヤル/アスリート/マジェスタと個性を分けた選択肢を用意してきたが、新型では改めてクラウンという価値を一つに集約してきた。そのなかに、ロイヤル/アスリート/マジェスタの特徴も集約されている。
そして、ドイツのニュルブルクリンクで試験走行を行うなど、世界的な4ドアセダンと競合する走行性能を磨きながら、同時に、国内専用車として伝統的なクラウンらしい乗り味を残してもいるのである。
“日本に最適な国産車”の減少と満遍なく評価されたボルボの総合力
世界の自動車市場において、日本市場の販売寄与率は下がってきており、日本の国情に最適な新車が減ってきている。
その点では、カローラスポーツもグローバルカーとして開発されており、今後国内市場を視野に入れた4ドアセダンとステーションワゴンが追って発売される予定だが、少なくともカローラスポーツは世界を視野に作られている。
それに対し、競合他社と遜色ない走りと、独自の乗り心地を満たしたクラウンを、日本の消費者の一人として応援したかったというのが、私の10点の理由だ。
エクリプスクロスもクラリティPHEVも、グローバルカーではあるが、日本車として完成度の高いクルマである。その2台は、カローラスポーツやXC40、ポロと比べても遜色ない魅力あるクルマだ。
事実、クラリティPHEVをのぞいて、それら各車はトップ5に入っている。またクラリティPHEVは、イノベーション部門の特別賞を受賞している。
今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーは、混戦模様であったといえる。いずれも、魅力あるクルマがそれぞれの個性を発揮していた。
そのなかで、選考委員60名のうち59名が何らかの配点をし、全方位で商品力を磨いたXC40がイヤーカーになったといえるだろう。
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