■コラボ先としてロータスの存在感が増してきた理由とは?
ロータスはトヨタからエンジンの供給を受けている。主力モデルであるエリーゼ、エキシージ、エヴォーラはトヨタの4気筒、1.8LエンジンやV6、3.5Lエンジンを搭載しているのだ。その関係は10年以上続いている。
ロータスといえばミドシップスポーツカーのプロフェッショナル。伝統のバスタブフレームとFRP製のボディで超軽量なスポーツカーを送り出し続けている。
少量生産のロータスとトヨタではメーカーとしての性格が違いすぎるように思えるが、2010年のパリモーターショーに出展して話題を呼んだ次期エリーゼのプロトタイプモデルは、現代的に生まれ変わる次世代のロータスを予感させるものだった。
当時、2015年に市販化するとしていたが、その計画は流れ、今は別のモデルとして2020年の発売を目指して開発が進んでいる。
しかし、いずれにしても現代的なモデルになることは確実で、2017年、中国の吉利社に買収されてからロータスのクルマ作りは大きく舵を切ったように思われる。
次期エリーゼは米国の衝突安全基準をクリアし、米国市場にも投入。年間4000台レベルの販売を目指すとしており、個性は守りながらもマニアックすぎるクルマ作りからの脱皮を図る方向のようだ。
それならトヨタとの親和性も高まるだろう。
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2010年に立て続けにプロトタイプを発表したロータス。画像のエリーゼコンセプトはすぐにでも製品化できそうな完成度だが、新モデルの実現にはいたってない
ロータスの軽量シャシーをベースにトヨタ独自のデザインとなるボディを載せて作るミドシップスポーツ。
もちろん、エンジンは長くロータスに供給しているトヨタ製でいける。直4、2L直噴ターボでもいいし、現在開発中の3気筒、1.6L直噴ターボでも面白い。
さらにいうならハイブリッドの可能性だってなくはない。なにしろ2010年のエリーゼプロトタイプモデルはアイドリングストップ付きの簡易型ハイブリッドと発表していたくらいなのだ。
需要が少なく、採算を取るのが難しいスポーツカーも、他メーカーと手を組むことで市販化させることができる。それはトヨタが86、スープラで証明してきたことだ。
第3のスポーツカーも、その手法を踏襲することで実現にこぎつけるのは不可能ではない。スープラ開発の中心人物が、メディアのインタビューで、あえて「MR2の復活を目指す」と言葉にしたのは、なんらかの具体的な動きがあり、最低限の勝算が見込めているからではないか。
GAZOOレーシングが正式な組織となって以来、トヨタのスポーツ戦略は目に見えるかたちで拡大している。FRの次はミドシップ。その勇気ある決断に大いに期待したいところだ。
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