■S209は北米のみの販売で日本はなし!
エクステリアのスタイルはおおまかながら、ある程度わかったところで、S209の概要にもっと踏み込んでいこう。
日本のスバリストがすでに疑問に思っていること。そう、S209がなぜ日本ではなくアメリカ・デトロイトショーで発表されるのかということ。これまでのSTIコンプリートカーは日本企画で、日本だけで販売されてきたのになぜ? と思っている方も多いだろう。
また、S208に続くS209だから、日本でも販売するのでは? と期待をしている方も多いだろうが、日本での発売は一切考えていないという。
これを聞いた時にはさすがにがっかりした。今後はSTIブランドを日本だけでなく、アメリカで本格的に販売していく、第一歩にしていこうという意思表示なのだろう。
そもそもこのS209の商品企画は、スバル・オブ・アメリカの主導で行われてきたそうで、以前からSTIコンプリートカーの発売を待ち望んでいたスバリストの声を反映したものだという。
■肝心のエンジンはEJ20ではなくEJ25で345psに向上
さて、注目のエンジン。S209のベース車は北米仕様のWRX STIだから、搭載されるエンジンは日本のSTIに積まれている2Lフラット4ターボのEJ20ではなく、2.5Lフラット4ターボのEJ25をチューニングしたものになる。
S208やタイプRA-RのEJ20は、ピストン&コンロッドの重量公差を量産エンジンとしては極限まで詰め、クランクシャフトやクラッチカバー、フライホイールのバランス取り、専用ECU、インタークーラーウォータースプレー、低背圧マフラーにいたるまで、専用チューニングが施されているが、S209もS208と同様、STIによって専用チューニングが行なわれる。
ベースのEJ25は310ps/40.2kgmだが、S209に搭載されるEJ25は専用ECUや各部のバランス取り、低背圧マフラーなどによって、345ps/44.0kgm程度に向上しているという。
もちろん、S209は“Sシリーズ史上最高の性能と質感を実現した究極のドライビングカー”を実現すべく、スバルとSTIが共同開発し、外装・内装にも専用装備を追加したSTIコンプリートカーのトップエンドモデルだから、走りの質感は相当高いものになっているのは間違いない。
S209の商品企画はスバル・オブ・アメリカだが、ブリスターフェンダーをはじめ、エンジン、シャシーなどの開発・生産は日本にあるスバル・テクニカ・インターナショナルの製作所で行なわれるという。気になる販売台数は、限定300台、400台レベルになるというから、即完売必至。
詳細は2019年1月14日、STI平川良夫社長自ら会見を行う、公式発表の場で明らかにされるので、追ってお伝えしよう。
ただ、S209に続くSTIコンプリートカーとして、EJ20をベースとした350〜380ps級のスーパースポーツが日本で販売される、という情報を掴んでいるので、今回S209が日本で発売されず、嘆いている人は安心してほしい。そのモデルにも、S209と同様のブリスターフェンダーが装着されるのは確実だ。早ければ、2019年後半には発売されるだろう。期待して待っていてほしい!
■STIコンプリートカーはすべて即完売!
最後に近々にリリースされてきたSTIコンプリートカーを紹介しておこう。これらのモデルはすべて限定モデルで、いずれも即完売している。
また、メーカーという枠を超えて、群馬県のスバルディーラーや南アフリカ・スバルが独自にコンプリートカーを発売する新たな動きが出てきている点にも注目。
やはりSTIが製作したコンプリートカーの台数が絶対的に少ないことは明らかで、需要に対して、供給が追いついていないから、こうした動きが出てくるのだろう。
■S207 限定400台 発表日当日完売
■S208 限定450台 2619名の応募があり抽選販売
■WRX STI タイプRA-R 限定500台 発売開始から2時間で完売
■富士スバル WRX STI TC380 限定50台 完売
■南アフリカ・スバル WRX STI ダイヤモンドエディション 限定50台 完売
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