バイクの次期規制もクルマの2年後に開始? 日本では2028年スタートか
バイクは、クルマと異なる独自の排ガス規制を採用しており、欧州では現在「ユーロ5」が施行されている。そして日本国内でも欧州とほぼ同じ排ガス規制が採用されているのが現状。クルマよりもユーロの影響をダイレクトに受けるのだ。
クルマに対し、搭載スペースが制限され、エンジンも車体も全く異なるバイクなのだから、規制が異なるのは当然だが、実はクルマの規制と歩調を合わせている。現行の二輪版ユーロ5は、四輪版ユーロ6と同様の規制値を採用しているのだ(ややこしいことに二輪版の最新ユーロ規制は四輪版から“数字”が一つ少ない)。
となると、このたび判明した四輪版ユーロ7案に合わせ、次期二輪規制として予定されている「ユーロ6」も導入の道筋が見えてきたと言えるだろう。これまで詳細は未定だったが、有害物質の上限値はクルマと同様に一段と厳しくなり、新たにアンモニア規制などが追加されるはずだ。
さらに、導入スタート時期は欧州で「2027~2028年頃」と予想できる。前々回の二輪版ユーロ4がスタートしたのは2016年。四輪版ユーロ6が2014年に開始された2年後だったからだ(ちなみに2020年に開始した二輪版ユーロ5は、あらかじめ二輪版ユーロ4と二段階の規制として制定された経緯がある)。
そして国内規制は、欧州で適用された約1年後に開始されるのが通例。したがって日本では、現在の令和2年規制に続く次期規制が「2028~2029年頃」開始と予想される。
日欧ともに、まずは新型車から適用され、1~2年遅れで継続生産車(現行モデル)に適用されるのがケースが多い。したがって欧州では2028~2029年頃、日本では2029~2030年頃に全面適用となるか。
あと6~7年でラインナップ激変、特にヤバいのはリッターSSか
内燃機関のバイクはユーロ6以降も存在するだろう。だが特に危ういのは、究極の性能を至上価値とするリッタースーパースポーツだ。次期規制が始まる、あと4~5年で存在自体が危うくなる可能性がある。
性能の向上どころか、維持することも厳しく、膨大なコストと折り合いがつかなくなるからだ。実は……早くもそういった噂が聞こえつつある。
さらに、現行モデルもあと6~7年で排ガス対応しなければ、発売できなくなるだろう。
加えて、二輪版ユーロ6の前に現行規制の強化も控えている。
現行規制では、50ccを除き、故障ログを記録するOBD2(車載式故障診断装置)の設置が義務付けられているが、マフラーなどの触媒劣化を検知するシステムについては猶予が与えられていた。
その追加機能を持つ通称「OBD2-2」の装着義務が新型車は2024年12月以降、継続生産車は2026年11月以降と定められている(51~125ccはそれぞれ1年遅れで導入)。
いわゆる「ユーロ5B」規制で、故障時の排ガス発散を防ぐ、より高度化したOBDが必須となる。これを機にまたしても生産終了するモデルが出てくるだろう。そしてユーロ6が導入された暁には、さらに大幅なラインナップ減が予想される。
納車時期の見通しが立たず、入手できない可能性があるとはいえ、クルマ、バイクともに、欲しい内燃機関の新車があるなら早めに手に入れておきたい。悲しい話だが、この数年が内燃機関、最後の黄金期になる可能性があるからだ。
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